松本議員の議案反対討論
わたしは日本共産党神戸市会議員団を代表して、報告第1号、第3号〜第5号、議案第44号、第45号、第52号〜第55号並びに議案第57号について、反対討論を行います。以下その主な理由を述べます。
まず、報告第1号と議案第44号は、地方税法改正にともない神戸市市税条例を改定しようとするものです。これらは、生計同一の妻に対する均等割の非課税措置の段階的廃止、老年者控除の廃止などによって、市民に負担増を求めようとするものです。不況が深刻な中、あらたな負担増を迫ることは、市民の消費をさらに冷え込ませ、神戸経済にとってもマイナスになることは明白です。
次に第45号議案についてです。今回の条例は、昨年6月に地方自治法の改訂により、体育館や公園・センターなどの公の施設の管理について、従来の管理委託制度から、営利を目的にした株式会社など、民間事業者も含む指定管理者の管理を認める制度に転換できるようになったことによるものです。この指定管理者制度は、小泉内閣「構造改革」の一環で、地方独立行政法人、構造改革特区と並んで、国や地方自治体の公務を民間に丸投げする手法のひとつです。
今回提案されている市の施設は、450の施設ですから、その影響は大変大きいのです。神戸市の施設ですから、行政の公的責任を後退させたり、公共性を危うくさせるようなことがあってはなりません。そのためには、福祉、文化、市民活動の場を提供する施設など、営利を持ち込ませてはならないものについては神戸市の直営とすべきです。そもそも、神戸市の指針には、地方自治法に明記されている「住民の福祉の増進を目的とする」ことが明記されていないことが根本的な問題です。
さらに、指定管理者に移行することによって、不安定雇用を拡大させることです。たとえば、この4月から指定管理者に移った児童館では、パート職員は1年契約となっています。子どもの成長・発達を見守るには、互いに意見を交わし、継続的なとりくみが必要です。このような施設の職員が、1年という短期契約でいいのでしょうか。我が党議員の質問に、助役は「競争原理によるサービス向上、コスト削減を考えると、市が身分保障するというのはなじまない」とこたえました。これでは、神戸市が不安定雇用の拡大を推進することになります。全国的にはこの5年間で400万人の正規雇用が減り、370万人の不安定雇用労働者に置き換えられています。神戸市の雇用状況は全国と比べてもより悪いのが実態です。人間らしく働き、生活できるという土台を崩すようなことに、行政が手を貸してはなりません。
また、利用料金を含めたサービスの公平性が保てるかどうかも保障がありません。そもそも「効率性」や「競争原理」では、福祉サービスの向上は望めないのです。
今のまま推移すれば、対象が際限なく拡大され、福祉や文化、教育などあらゆる分野に及ぶことを容認することになります。今は、道路や河川、学校、第一種福祉法人などは個別に対象から外されています。しかし、特別養護老人ホームなどの第一種社会福祉事業も株式会社に管理をゆだねるとの動きも出ています。対象の拡大が際限なく広げられることになり、認めることはできません。
次に、第57号議案、「垂水区海岸通土地売却の件」についてです。これは今年2月のコンペで、株式会社ゼクスとその子会社であるチャーミングコミュニティが共同提案した「介護型有料老人ホーム」が採用されたことに伴い、土地を売却しようとするものです。しかし、この業者選定にいたる経緯はきわめて不明朗です。神戸市がコンペを実施したのは今年の2月。3月24日に締め切られましたが、応募したのはゼクス社のみでした。
ところが、昨年の夏頃から、ゼクス社と神戸市の間で協議が進められていたことが明らかになっています。また、土地利用についても、当初含まれていなかった福祉関連施設が付け加えられています。こうしたことからみて、コンペ開始前にすでにゼクス社に決まっており、コンペ自体が単なるセレモニーだったのではないかとの疑問は消えません。ゼクス社の社長が、1月22日の個人投資家向け説明会で「神戸はほとんど決まっております」と発言していることも、この疑惑をより大きなものとしています。契約は、競争性、公平性が保たれることが不可欠です。今回のコンペのやり方で、競争性、公平性が保たれたとはいえません。このことをただした我が党議員の質問に、助役は明確な答弁をされませんでした。コンペとは名ばかりで、事前に決まってから形式的にコンペのしおりを配布したとしか思えません。多額の税金をつかって整備した土地は、もっと市民の声を聞き、跡地利用を考えるべきです。
次に、第52号議案、第53号議案、ポートライナー延伸工事請負契約に関してです。 ポートライナー延伸工事は、もちろん神戸空港関連事業です。これまで、神戸市は「神戸空港建設には、市税はつかわない」とか「一般会計はつかわない」あるいは「市民に負担はかけない」などといってこられました。延伸工事には、当然一般会計負担もあります。また、その財源には、市民のくらし、福祉に振り替えて活用することが可能な財源が含まれているのです。これまでの市民に対する説明と違うのは明白です。
今、新交通株式会社は、200億円以上の累積赤字を抱えています。しかも、延伸複線化工事後の収支について、神戸空港開港から40年後の2045年に収支が合うとされていますが、いずれにせよ、非現実的な需要予測を元にされていますので、未来永劫、赤字は解消されません。現在の経営状況を真摯に見るなら、総額1200億円もの事業を進めることは余りにも無謀です。 以上、反対討論といたします。議員各位のご賛同をよろしくお願いいたします。 |