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2003年12月01日

南原富広議員の産業振興局審査質疑

南原議員
 復興支援工場の家賃減免について伺います。
 中小企業の復興を支援するためとして建設された復興支援工場の現状を見るとき、震災の被害いまだ消えずというのが実態です。多くの入居者が、震災で家を失い、工場と共に、その生活の糧であった機械類を失い、2度、3度の工場移転、その度に借入金が増え続けたのが現実です。仮設工場に入居できた時には、これで何とか借金だけでも返せるのでは、と頑張ろうとしていた矢先、仮設工場から復興支援工場への移転が迫られ、一挙に家賃が4倍から5倍へと引きあげられたのです。その上に、あまりにも長すぎる不況です。入居業者の切実な要望は「何とか家賃だけでも引き下げて欲しい」ということです。
 日本共産党市会議員団は、この間、幾度となく、復興支援工場を訪れ、業者の方々と懇談してきました。被災者の現状を打開するためには、当面、家賃の軽減が入居業者の窮状を和らげる事につながり、営業努力の活力になると結論を得ました。
 家賃軽減策を神戸市独自で実施するとなると、財政上の負担も出てくるので、何とか国として対処できないかと、この間、3度にわたって、国の財務省と交渉してきました。復興支援工場建設の原資となっている国の高度化資金融資の返済期限を延期する事で、家賃の軽減が可能だということで、延長を求めたところ、国の担当者は「神戸市が言ってきたら、前向きに、誠実に検討する」と答えてくれています。
 先日の本会議で、鵜崎助役は、いともあっさり、「国に求める考えは無い」と答弁され、局長も、これまで「延長は求めない」との態度に終始しています。しかし、復興支援工場の趣旨は、条例1条にあるように「中小の製造業者の阪神・淡路大震災からの復興を支援し、もって本市産業の発展を推進するため」のものです。入居業者などの実態を見れば、この条例の趣旨は、いまだ達成されていないのは明白です。
 この条例の趣旨を生かすには、将来に展望を持てる施策を行政が示すことが必要です。当面行政としてできることは、家賃の低減です。高度化資金の返済期限を延長すれば、財源は確保できます。だからこそ、共産党市会議員団は、返済の延長を国に求めるよう主張しているのです。今でさえ、家賃を滞納せざるをえない業者が三割を占めているという実態を直視して、家賃を引き下げる努力をすべきです。その一つの方法として、政府に高度化資金融資の返済延長を求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 この復興支援工場について、外部評価によると「震災後の復興において一定の役割を終えている」と断定していますが、何を持ってこんな評価が下されるのか、理解に苦しむところですが、局長はこの評価をどう受け止めているのか、お聞かせ下さい。また、民間賃貸工場家賃補助制度は、この復興支援工場の家賃と連動するものとして、制度がつくられた経過が有ります。、復興支援工場の役割が終えた、としたら、民賃補助についても同じで、補助制度をなくすことになるのかどうか。
 先日、新聞報道で、「復興支援工場の入居率向上めざし、被災企業以外にも開放」との報道がなされていたが、この事は、極めて重要な事だ。この工場は、最初に述べたように、震災被災者の復興支援を目的として建設されたものです。被災企業以外の入居を図るためには、条例の変更が必要となると思いますが、いつ変更するつもりですか。条例変更をする場合、外部評価と同じ評価の上にたって、今後、被災者の支援は行わないという事なのですか。

 つぎに、ハイテクイースト工業団地の家賃問題についてであります。
ハイテクイースト工業団地は、西区櫨谷町寺谷にある、元々仮設工場として建設された工業団地です。平成13年に本設工場として、若干の手が加えられ、今日に至っていますが、この工業団地の家賃は、本設時に、仮設工場時代の4倍に決められました。多くの入居者が高すぎる家賃に絶えられず、転居して行く状況も続出しています。
 当局が、入居者に示した家賃はu当たり2000円です。その内、1100円が土地利用料となっています。つまり、土地利用料を引き下げたら、家賃は安くできるのです。この利用料の根拠が、土地の購入費の18億5000万円です。1100円で計算すると、約30年で回収できる計算になります。
 しかし、そもそも、この土地は購入しなくてもよかった土地であります。震災直後、仮設工場建設に、国の高度化資金融資を利用できるということで、相次いで、市内に六箇所仮設工場が建設されました。このうち西区高塚台と興亜池公園及び、神戸ハイテクイーストはいずれも神戸市開発局が、当時所有していた土地でした。ハイテクイースト以外の2箇所は、借地で仮設工場が建設されているのに、このハイテクイーストだけが、土地を都市整備公社に売却して、仮設工場が建設されているのです。
 ハイテクイーストが借地だったなら、土地利用料は、半額以下に抑えることができたはずです。なぜ、他の2カ所と同様に、借地として利用できなかったのか。その理由をまずお聞かせ下さい。

坂本局長
 復興支援工場家賃だが、これまでも言っているが、復興支援工場使用料、管理費などは、原価で設定している。高度化資金の返済とはリンクしない。家賃だが、確かに、私は当時、住宅を担当していたが、被災者はある程度、余裕がある人も、自分の敷地に持っていた工場も民間賃貸工場もつぶれた。その中で、物理的に工場がいると、仮設工場を建設した。当時は、uあたり500円、共益費も10円ということで、とりあえず緊急避難的にやった。国から5年の期限だということでやった。その5年が経過して、自ら元いたところに建設した人、民間工場に移った人、復興支援工場に入った人もある。復興支援工場は、あくまで恒久的な工場で、使用料についても、いずれは民間と整合性を保つのが原則だった。震災後9年を迎えるが、長引く不況で、機械金属、ケミカル業者も、非常に苦労していることは知っている。家賃を、不況で経営が厳しいから下げる、ということは、少し違うと思っている。自力で工場を持っている人、民間賃貸工場で使用料を負担している方との整合性は考える必要がある。これは私の信念だ。いま、家賃が復興支援工場の家賃が民間家賃と逆転しているのではないかというが、それは、われわれもいろいろ調べているが逆転はしていない。家賃を比較する場合、施設水準などがあるが、復興支援工場は24時間操業可能、床荷重、天井も恒久賃貸工場として整備されているので、民間よりも施設水準は高い。使用料は高い額とは思っていない。12年12月から民間から移って支援工場に入っている企業が33社あるが、従前家賃は2000円を超えていて、いまより高い。民間賃貸に入っている被災を受けた人には、復興支援工場との差額を一定の上限をつけて、家賃補助制度として実施している。申請件数は131社あった。民間の工場の使用料と比べて安いと思っている。繰り返すが、公平上の観点から、自力で工場を持っている人などとのバランスから、使用料引き下げは困難だ。
 被災者以外を入れるときは条例改正の手続きがいる。この支援工場の入居者を被災者に限っているのは、高度化資金を受けたときに、5年は被災者のみの入居となっている。5年経てば、その時点でどうするかだ。空き家が2割になっている。空き家の活用をどうするのかともいわれているので、見直す必要がある。条例改正の手続きがいるので、必要ならば、条例改正をお願いする。
 ハイテクイーストの用地問題だが、実は当時、仮設工場を担当してないので、くわしくはわからないが、住宅を担当していた経験から、とりあえず土地を探そうと、利用目的が決まっている土地であれ、決まっていない土地であれ、スピードが求められた。6カ所の仮設工場で、2カ所は取得しているが、4カ所はあとの利用目的が決まっていたので借地とした。あくまで、物を建てる場合、土地の安定利用から取得が基本なので取得した。家賃だが、当時、復興支援工場との家賃バランスを考えてやった。それ以外に、機械金属関係は移転するのは大変だから、できればここに、という要望もあった。あくまで仮設で造った工場なので、基本的には、本格的な安全性も考えた本格工場を造るために、理解をいただいた。ハイテクイーストは機械金属ばかりだったので、何とかここで残りたいという要望のなかで実現したと聞いている。

吉武次長
 高度化資金の償還延長だが、復興支援工場建設にあたって事業費の95%を活用した。96億の融資を受けている。融資の内、9割が5年据え置き20年償還で、33年まで続く。高度化資金償還の延長を求めればというが、厳しい財政状況の中でも、債務を先送りするのではなく、減らしていくべきだと考えている。延長されても、建設にかかった費用の総額は減らないので、家賃減額にはならない。

南原議員
 いま入居者の状況は厳しいといった。状況を知っているなら努力すべきだ。高度化資金融資と家賃はリンクしないとのことだが、それならなおの事、減免できるではないか。滞納で予定の収入が入らないのが現状だ。神戸市独自で家賃の減免を行い、滞納せずに支払える家賃にすることによって、収入増になる。しかも、復興支援工場の高度化資金借り入れ額は、96億5千400万円、無利子だ。15年の均等払いの場合、年、6億4400万円だが、これを10年延長すれば、3億8600万円になり、6割に減額できる。なぜこんな便宜が図れないの。国はいつでも言って来いと言ってくれている。本当に被災者のことを考えているのか。被災者と思っていないのか。それを聞かせていただきたい。
 外部評価で役割を終えたといされているが、被災企業が完全復興できたと考えているのか。現在の入居状況は114社、191ユニット、内41社が3カ月以上滞納という現状だ。退去企業の状況を聞くと、すでに46社が退去したとの事だが、そのうち、3カ月以上の滞納による入居取り消しが10社、後の36社については、自社再建や区画整理の完成によるものなどと合わせ、廃業も多くあるとのことだ。実際に、復興して再建できた企業が何軒あるかについては、わからないという。あまりにも無責任だ。実際にどれだけ復興したか、本当にがんばって復興できたのか。どれだけの人が実態として再建できているのかさえ調査もしていない。なんのために復興支援工場をつくったのか。実態をつかんで判断すべきだ。調査せずに、外部評価では一定の役割を終えたといっている。局長は、どれだけが、自力再建したと思っているのか。
 ハイテクイーストだが、局長は、当時、産振局ではなかったので、土地の状況を知らないと思う。土地利用料の根拠となった、土地購入費が高額になった背景には、この土地を含む約13ヘクタールの土地取引で、土地転がしが行われた可能性が有るからだ。
 この土地は、当事、ほとんどが山林で、当時の開発局が94年9月2日に50億円で買っている。その以前、90年7月5日に、大阪市淀川区にある日本ハイムが栃木相互農園組合から購入、その日の内に、神戸市垂水区の東候物産が買う。この時点まで、設定されていた根抵当権は、約八千万円だった。これを解消するのとあわせて、大阪興銀が、地産興業という会社を相手に40億円の根抵当権を設定している。その直後に、栃木相互農園組合は解散している。さらに、94年8月に大阪興銀が根抵当権の権利放棄をしたあと、神戸市開発局が、同年9月2日に50億円で買っている。この取引にかかわった、日本ハイム、東候物産、地産興業はいずれも、電話帳に登録されていない。地産興業と東候物産の住所は同じ。そして、代表取締役を含む五人が両社の役員を兼務している。地産興業と日本ハイムの代表取締役は同一人物だ。この3社が協議して土地取引が行われていることは明白だ。そして、神戸市が、最終的に50億円という巨額の金を出して、利用目的もないまま、この不明朗な土地転がしともいえる土地売買に手を貸したことになる。
 その不明朗で高額な利用目的も明確でなかった土地の一部を、仮設工場建設の名目で、高額で、みなと総局が都市整備公社に売却して、その売却費用を被災者に覆いかぶせている、というのがこのハイテクイーストの重大な問題だという事を指摘しておきたい。
 この一連の疑惑については、引き続き追及していくが、こうした背景があるという点を局長も認識しておいていただきたい。
 先ほど、局長は、利用目的がなかったから購入したといわれた。それなら余計におかしくなる。仮設工場は本来、5年という期限がつけられている。仮に購入しても、その時点で、産振局として5年後の利用の目処はなかったはずだ。急いで購入する必要はなかったことになるではないか。この点はどうか。
 さらに、仮設工場建設の時に、なぜ神戸市が直接やらないのかと、何回もいってきた。当局は、神戸市では借りられないといってきた。われわれもいままでそれを信じていた。しかし、国は、H7年2月28日付けで、「阪神・淡路大震災に係る貸工場・貸店舗設置事業の運用について」という通達を出している。この通達の中で、「貸工場(仮設工場を含む)・貸店舗(仮設店舗を含む)設置事業に係る資金の貸しつけは次により行うものとする」として、(1)項で、貸付の相手方は、地方公共団体、(もしくは)地方公共団体が出資している株式会社又は地方公共団体が拠出している公益法人とする。となっており、神戸市が直接利用できるように法整備がなされていたにもかかわらず、都市整備公社に、わざわざみなと総局の新都市整備事業会計、かつての開発局から土地を購入させた理由を明確にして頂きたい。
 この時点での用地取得費も高すぎる。現在のハイテクイースト2万3千500u(7121坪)の土地はu当り8万円で開発局が都市整備公社に売却している。隣接のハイテクパークの平均売却額、u当り7万6千円と比較しても高い。みなと総局の新都市整備事業会計の担当者は「下水道などを敷設した。当事の不動産審議会の意見も聞いている。妥当な額」と言っている。しかし、この土地は市街化調整区域で、当事の公示価格は4万4千円程度だ。この価格で計算すると、用地費は11億円弱となる。さらに、この土地は法面も多く、実際に建物が建てられている面積は5280u(1600坪)で、建蔽率はわずか23%でしかない。こんな使い勝手の悪い土地に18億円はあまりにも高額過ぎる事も大きな疑問です。借地にしていたなら、1100円が三分の一ですんだはずだがどうか。

坂本局長
 外部評価の、復興支援工場は一定の役割を終えたという評価についてだが、震災に関して完全復興がなされたとは思わない。震災後、大きな不況が切れ目なくきた。震災だけの影響なのか、不況が一番の影響かと考えると、評価委員会も、震災の影響もあるが、不況の要因が大きいということで、そうなっていると思う。中小企業が苦労しているのは震災のツケもあるが、いまの社会の長引くデフレ不況が大きな要因だ。被災者を切り捨てるのかというが、5年という高度化資金の制約のあとをどうするか。被災企業に限定して、2割の空き家がある。被災者を優先するが、あとの部分を罹災証明はないが、大なり小なり震災の影響を受けている人も対象にすべきだと思っている。ハイテクイーストの土地を高く買ったのではないかという点については、不動産評価審議会の評価を受けて買っている。土地の売買はいろいろあるが、現況はどうだったかわからないが、正当な価格と思っている。借りてたらどうかというが、ハイテクイーストの場合、ここの原価計算もあるが、仮設工場にいた人が、復興支援工場を含めて移転する場合の、どういう条件で移るかということでの、ハイテクイーストと復興支援工場との整合性はあったと思う。額的に見ると2000円が高いといわれるが、前が専用の荷さばきとして利用もできるし、駐車場としても利用できる。復興支援工場は駐車料もいる。復興支援工場とのバランスで設定されたもので、ご理解いただいたと考えている。

吉武次長
 事業主体が整備公社になったのは、建設にあたって通産省に、中小企業事業団の高度化資金を特例的に使いたいと話したとき、本来、民間が事業主体といわれ、中小企業団や兵庫県との協議の中で都市整備公社でよいのではないかとなった。2月21日に事業主体として決定した。2月25日には入居者の募集も開始もしていた。2月28日に通産省の通達がでて、地方公共団体が借りられるとなった。仮設工場に着工したのは3月1日で、そこまでいっていたので都市整備公社が主体となった。

南原議員
 私がいっているのは、他と比べてどうこうではなく、ハイテクイーストの家賃設定で土地使用料が1100円だということで、その根拠についていっている。借地にしていたなら、1100円の土地使用料が、三分の一から六分の一ですんでいる。例えば、同じ西区内で、みなと総局の新都市整備事業会計が進めている複合産業団地では、普通借地ならuあたり170円、定期借地でも300円だ。災害特例の高度化資金は「被災中小企業者の早急な操業の再開を支援し、高度化事業の基盤を整備し、当該地域の復興に寄与することを目的」としている。この目的からも逸脱している。高すぎる土地代を定期借地に変えたら賃料は300円になる。複合産業団地を参考に引き下げることはできないか。復興支援工場家賃は引き下げないというが、医療産業関連のKIBCやKIMEC、KIO、先端医療センターなどに進出した外資系企業など、震災に全く関係のない企業に、賃貸料補助として、復興基金から多額の補助金が支出されている。この基金は被災者につかうものだ。
 これまで神戸の経済を支え神戸経済の発展に一役も二役も買って来た、既存中小企業が生きるか死ぬかと言う時に、支援は全く行わないと言うのでは、一体誰のための行政かと言われてもやむを得ない。今の時点で神戸市が、復興支援工場の家賃を引き下げる姿勢を示せば、希望を与えることができる。国への返済期限を延長すれば半額近くになる。国はいつでもいらっしゃいといっている。延長ができないなら、復興基金を使ってでもできる。
 ハイテクイーストでは、広大な山林を含む利用予定のない土地を開発局が50億円で購入した。震災後、仮設工場建設用地がいるということで、開発局が処分に困っていた土地をうまく売却したということになる。しかも、その資金は、災害特例の高度化資金の無利子融資だ。そしてその返済は、被災企業を含む神戸市の中小企業が、土地利用代として負担させられていることになる。高額な買い物、買う必要のなかったものを買って、その尻ぬぐいを被災者に回しているといえる。仮設工場を建てた6カ所の内、2カ所しか買っていない。都市整備公社にやらすのが妥当だといっているが、4カ所は借地でやっている。先ほどいった疑惑を一層深くするものだ。引き続きこの土地をめぐる疑惑の解明と、土地利用料の引き下げを求めていくが、一点、復興基金をつかった家賃減免を行うべきだという点について、答弁を求める。

坂本局長
 いま復興基金で、新産業とか企業誘致のインセンティブをしていることを使って、復興支援工場の家賃を引き下げることはできない。

資料:ハイテクイースト工業団地を含む13ヘクタールの土地疑惑経緯
http://kobe.jcp-giin.net/siryo/004.html

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