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2004年11月28日

市民のくらしに責任を持った市政と言えるのか

段野議員の代表質疑

  1. 市長の政治姿勢について

  2. 震災の検証・見直しについて

  3. 介護保険について

  4. 事務事業の外部評価に関して

  5. 神戸空港について

  6. 平和行政に関して

  7. 少人数学級について

 私は、日本共産党議員団を代表して、市長および関係当局に、平成15年度決算について質疑いたします。本決算は、矢田市政3年目に編成されたものですが、市長の「開発から環境と福祉へ」「市民主役のまちづくり」というスローガンとはうらはらに、開発優先の市政が継続されてきました。そのため、市民の暮らしも経済も深刻なものとなり、政令都市最悪の水準に落ち込む結果となりました。
 国政では、小泉内閣の構造改革路線によって、自治体は「三位一体」の改革で、補助金や地方交付税が削減され、国民には、年金改悪の強行に続いて、消費税率の引き上げなどさらに過酷な政策が計画されています。さらに小泉内閣は、「大量破壊兵器の存在」が否定され、戦争の大義すらなくなったイラク戦争に加担し、アメリカ軍のファルージャ壊滅作戦に対して、「成功してほしい」とメッセージを送りながら、自衛隊派遣の延長と憲法改悪への動きを強めています。
 さて、本決算ですが、わたくしは矢田市長の政治姿勢を始め、市民の暮らしに関わる問題を中心に、数点質疑いたします。

市民のくらしに責任をもった市政といえるのか

 はじめに市長の政治姿勢に関して伺います。
 昨年市長は、市民に対し「財政再生緊急宣言」などを発表して、神戸市財政が危機的事態であると宣伝しながら、市民に痛みを押しつける「事務事業の見直し」を強行してきました。震災以後、「行財政改善3カ年計画」「新行政システム5カ年計画」そして「外部評価委員会報告による事務事業の見直し」と、あいつぐ行革の断行によって、市民の暮らしに関わる福祉施策は削減され、2300人にのぼる職員が削減されてきました。一方、3000億円を超える神戸空港の建設や、総額1200億円になるポートライナーの延伸など、空港関連事業は押し進め、「医療産業都市構想」にかかわる施設建設や施策には、金に糸目をつけず、300億円を超える莫大な財源を投じるという方針が貫徹されてきました。
 平成17年度予算編成方針のなかで、「約400億円の収支不足はほぼ解消された」としていますが、この収支不足の解消は、「生活保護単独給付の見直し」や「敬老祝い金支給対象の見直し」、ならびに「市バスの合理化」や「職員削減」など、市民負担の強化によってもたらされたものであります。
 先日実施された神戸新聞のアンケートによれば、矢田市長を支持すると答えた市民の中でも「行財政改革への支持」は、わずか20%でしかありません。またこのアンケートで空港建設に反対との回答は、今なお48%を占めています。一方で、市民の批判を無視して空港建設を進めながら、「財政危機」のしわ寄せを、すべて市民負担と職員削減で解消しようとする市政に、市民は厳しい目を向けています。本来自治体は、市民のくらしを守ることが最も重要な役割ですが、これほどまでに市民負担を強めて、市民のくらしに責任を持った市政と言えるのかどうか、市長の見解を伺います。

被災者支援の継続を

 つぎに震災10年の検証・見直しに関して、4点伺います。
 阪神淡路大震災から10年をむかえ、この間、総括、検証が進められてきました。統計によれば、復興住宅での高齢化率は、兵庫区の55.1%を筆頭に、全復興住宅の居住者17000人中、8000人、平均高齢化率は46.3%になっています。 わが党は、被災者の現状と被災業者の状況を把握するため、復興住宅や市場・商店街を対象に独自のアンケートを実施し、1000人を越える被災者から回答をいただきました。この回答を通じて、被災者が10年の歳月を経てなお、多くの困難に直面している実態が明らかになりました。被災者の多くが年金生活者であり、10万円未満で暮らしている人たちが大半を占めています。そのため、独自の高齢者対策、雇用対策が求められています。さらに、災害援護資金や震災関連融資の返済に苦しむ市民、中小業者も多く、被災者への取り組みは、まだ終わっておりません。被災地神戸にとって、震災対策は、継続して取り組まねばならない重要な行政施策であります。被災10年目を迎えて、震災復興基金による施策を打ち切り、予算を削減しようとしていますが、10年を経たからとして打ち切ることは、実態を見ない暴挙であります。国に対して、「家賃低減措置」はじめ災害復興住宅への支援や、「中小企業融資制度」などを引き続き実施するよう求めていただきたいのであります。また、兵庫県にも「基金制度」を活用して実施してきた「高齢者見守りサポーター」や、「民間家賃補助制度」等の被災者対策を継続するよう強く求めて頂きたいのですが如何でしょうか。

 つぎに被災者への公的補償問題についてであります。先月23日発生した新潟中越地震によって、山古志村や小千谷市など、新潟地方全体に甚大な被害が起こっています。また、豊岡市や出石町など兵庫県北部、淡路島での台風被害も、かつてない大規模なものとなりました。これら被害者への生活支援が改めて緊急課題となっています。地震など自然災害への補償は、兵庫での被災者運動の取り組みをもとに、鳥取、宮城などが行った自治体独自の個人補償制度に学んだ救援が行われようとしています。これは、兵庫の被災者運動から発展した貴重な到達点であります。しかし政府は、今でも、住宅再建への補償は個人資産の形成につながるとして認めず、被災者の生活再建にとって最大のネックになっています。個人補償の実現は、阪神淡路大震災最大の課題でしたが、当時の笹山市長は、国に要求すらせず、実現できないまま今日に至っています。矢田市長は、被災地神戸の教訓をもとに、「被災者の生活再建には、個人補償が不可欠」であることを認め、被災者への「公的保障制度」の実現を政府に働きかけていただきたいのですがいかがでしょうか。

 第三に、被災中小企業に関してであります。被災した中小企業の多くは、まだ震災復興の途上にあり、長びく不況との二重苦にあえいでいます。震災後、市の産業施策の中心が、ベンチャー企業や外国・外資系企業の誘致と資金援助におかれ、医療産業都市構想に基づく外資系企業には、大幅な家賃補助など、手厚く、至れり尽くせりの支援策が講じられてきました。しかし、長年、神戸経済を支えてきた中小企業から、新産業中心の産業政策への転換は、結局、神戸経済の復興に寄与するものとはならず、いっそうの地盤沈下をもたらす結果となっています。地場産業であるケミカル産業やハイテクイーストの機械金属業者、ものづくり支援工場など、被災後10年がんばり抜いてきた被災業者にたいして、「地代の軽減」や「家賃・賃貸料の軽減」など、再建につながる支援を行い、中小企業の持つ熟練の技術と経験、業者間ネットワークを活かした、あらたな発展を促進すべきだと考えますがいかがでしょうか。

 第四に、震災復興プロジェクトに関する総括についてであります。
上海・長江プロジェクトはじめ、震災復興プロジェクトとして進められてきた一連の事業にたいして、この間巨額の財源が投下されてきました。なかでも上海・長江プロジェクトについては、「神戸港の活性化」や、神戸経済に大きく寄与するとして進められたものの、ほとんど見るべき成果は見られません。「外部評価委員会」の報告ですら、「税を投入して実施すべき事業かどうか再検討が必要」ときびしく、このプロジェクトの再検討を求めています。これまで、震災復興事業の一環として多額の財源が投じられてきましたが、神戸経済の活性化に、これらの事業がどれだけ貢献したと考えておられるのか、市長の見解を伺います。

保険料・利用料の軽減を

 次に「介護保険」に関して伺います。
 「介護保険制度」が5年目を迎え、制度見直しの検討が行われています。この見直し論議の中で、国は、「負担の公平性」を名目に、現在1割の介護保険利用料負担の引き上げを検討し、入所施設の家賃、水光熱費などのいわゆるホテルコストを新たに徴収しようとしています。現在5万円の特養利用者の負担が、10万円を超えるケースも想定され、国民年金収入だけの高齢者はとうてい入所できないことになります。また、利用料の軽減や減免措置を受けている人も負担が急増することになります。
 さらに、「介護予防」を口実に、「要支援」「要介護1」のケースは、保険給付の対象から除外しようとしていますが、神戸市の場合、本年3月現在、「要支援」および「要介護1」の認定者は約2万8千人、認定者数全体の55%を占めています。制度が改悪されると計り知れない影響がでるものとなります。介護保険制度を定着させ、安定的に維持するためには、国の負担割合を増やすべきです。市長は、国のこのような制度見直しに反対を表明していただきたいのであります。また、保険料、利用料の軽減措置を、国の制度として創設するよう求めていただきたいのですがいかがでしょうか。

外部評価は市民の理解得られない

 次に「外部評価委員会報告」に関して伺います。
 事務事業外部評価委員会報告で、この一年、181事業の見直しが行われてきました。これら「見直し」によって、高齢者、低所得者の施策が廃止・縮減され、民間活力の名の下に公的サービスが後退させられてきました。来年度予算に向けては、584事業が、見直しの対象とされています。「報告書」によれば、伊賀会長以下10名の外部評価委員が、わずか21日間、1日25〜30もの事務事業について裁断を下したわけであります。この584事業の中には、「福祉電話の見直し」や、公共交通を利用できない障害者への「タクシー利用の廃止」、「はり、灸、マッサージ助成の見直し」など、高齢者、障害者施策が含まれています。
 213億円もの赤字を抱えているポートライナーの「延伸工事」は、空港に欠かせない事業として高く評価しながら、市民のくらしに欠かせない事業を「非効率」などと決めつける報告書の「結論」を、「真摯に受け止め、徹底して行う」とするのは、とうてい市民の理解を得られるものではありません。市長は、「選択と集中」で事務事業の見直しを行うとのことですが、「福祉電話」や「福祉パス」など市民の暮らしに関わる施策こそ守るべき課題として選択し重視すべきだと考えますがいかがでしょうか。

空港建設は中止を

 次に、神戸空港に関してです。
 関空2期の滑走路建設にたいして、政府財政審議会が、「とうてい国民の合意を得られるものではない」との意見でまとまったことから、関空2期での滑走路建設予算の獲得がきわめて厳しい事態になっています。また、伊丹空港についても、国内便の一部を関空にシフトすることも検討されています。現在、大阪、兵庫の両知事や財界が、国に対して陳情するなど、関西における空港需要の減少から空港を巡る情勢が大きく動いています。
 そこで、空港問題に関して2点お聞きします。
 神戸空港は、06年2月の開港まで、あと1年あまりに迫ってきています。ところが今の時点で、神戸空港に参入を表明している航空会社はスカイマークエアーラインズ1社のみであります。需要予測では、開港時点で319万人の乗客を見込んでおり、ポートライナーなどもそれを前提に延伸・複線化工事を急いでいます。
 市長は、この現状でも、見込みどおりの乗客需要があり、航空会社の参入も心配なしと自信を持って言い切れるのかどうか伺います。
 もう1点は、建設計画と財源との乖離についてであります。神戸空港建設費3140億円の内、滑走路やエプロンなど空港施設の建設費用は500億円、その2分の1、 250億円は国の財源で処理するとして工事が進められてきました。しかし現在まで国庫補助金は、16年度予算を含めても85億円にすぎません。特に滑走路用地の購入費への補助はメドがたたず、現在、土地を買わずに上ものを整備すると言う異常な状況が生まれています。財源計画では、空港用地等の売却で985億円の財源を見込んでいたものの、民間にはまったく売れないまま、開港を迎えようとしているのであります。そのため、「起債」は計画以上にふくれあがり、新都市整備事業会計からのくりいれも増えるばかりです。「補助金」、「土地売却収入」、という財源が、計画どうりすすまないのであれば、空港建設は一旦中止して、市民の声を聞くべきだと考えますが如何でしょうか。

非核神戸方式三十周年記念行事を

 次に平和行政に関して2点伺います。
 イラク戦争が続き、多くの命が奪われる中で、戦争やテロの根絶を願う国際世論は高まっています。神戸市でも「平和行政」は重要な課題であります。わが党は、予算議会の中でも、「核兵器積載艦艇の神戸港入港拒否に関する決議」いわゆる「非核神戸方式」を尊重するよう訴え、「記念碑」の建立を求めてきました。この決議が1975年3月に採択されて、来年3月で30年になります。この決議は、神戸港に入港を求める全ての艦船に対して、「核を搭載していない」証明書の提出を求める制度です。この間、神戸港を平和な港にと願う市民の期待に応えてきた貴重な制度です。現在、この「非核神戸方式」はニュージーランドはじめ、核廃絶を求める諸外国から大きな評価を受け、国の制度として取り入れられています。神戸市の姉妹都市シアトルでも、この方式をもとにした条例が全会一致で採択されるなど、国際的に平和を守る制度として活かされています。この決議が神戸市会で採択されて30周年を迎えるのですから、神戸市の誇りとして記念行事を実施すべきだと考えますが、如何でしょうか。。
 今ひとつの問題は、核廃絶の運動についてであります。世界には、3万発の核兵器が貯蔵・配備されています。この核兵器の縮減、廃絶を求めることは、平和運動の中心課題であります。来年は、広島・長崎が、被爆60周年をむかえ、5月には、ニューヨークで核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれます。この会議を成功させるため、広島、長崎両市長を含む109カ国、611都市が加盟する「平和都市市長会議」が「核廃絶を求める緊急行動」を提唱しました。この呼びかけに、ヨーロッパ議会が圧倒的多数で支持を決議し、全米市長会議(1183都市加盟)が満場一致でこの緊急行動を支持決議しています。矢田市長も、この呼びかけに賛同の意思を表明していただきたいのですがいかがでしょうか。

三十人学級の実現を

 最後に「教育」問題に関して伺います。
 少子・高齢化時代といわれる社会の中で、子供たちを巡る環境が悪化しています。一人一人の子供たちの個性をのばし、人間として尊重される教育を保障することは行政の重大な使命であります。これまでわが党議員団は、30人学級の実現を強く求めてきました。市民の運動によって神戸市でも、今年度から新たに1年生で35人学級が実施されました。この予算措置は、教師からも保護者からも喜ばれています。来年度、現在の35人学級をそのまま、2年生に続けること、また、新一年生も35人学級でスタートできるよう、予算措置を兵庫県に強く要望すべきだと考えますが如何でしょうか。

 以上、多岐にわたりましたが、誠意ある答弁を期待して私の質疑といたします。

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