大かわら議員の反対討論
私は、日本共産党市会議員団を代表して、決算第9号「平成14年度神戸市一般会計歳入歳出決算」、決算第12号「平成14年度神戸市国民健康保険事業費歳入歳出決算」、決算第22号「平成14年度神戸市市街地再開発事業費歳入歳出決算」、決算第23号「平成14年度神戸市営住宅事業費歳入歳出決算」、および決算第25号「平成14年度神戸市空港整備事業費歳入歳出決算」の5件について、反対討論をおこないます。
反対の第一の理由は、矢田市長が初めて編成された予算が、被災者の生活再建や市民のくらしを支援するものではなかったということです。
阪神淡路大震災から9年を迎えようとしています。しかし、当局の「復興の総括・検証」中間総括で集約された一万人アンケートの中でも、「震災前にくらべて、生活は低下している」との回答が、46.2%から48%に増えているなど、被災者がおかれている厳しい状況は代わっていません。神戸市の激震地域における自殺率が全国平均を大幅に上回るなどの現実に見られるように、被災者は、今なお生活を立て直すことができていません。その上、長期にわたる不況や大企業のリストラなどが原因で、失業者は増えつづけ、倒産・廃業によって、震災前と比べ、事業所数で1万ヶ所程度、従業員数で約3万5000人も減少しており、大変、深刻な事態となっています。このような危機的状況に置かれている市民の暮らしと営業を改善することこそが、神戸市の最大の任務です。しかし今回執行された決算では、その視点が大きく抜け落ちていました。
さらに矢田市長は、さきの市長選で、「変えます。開発から環境と福祉へ」と強調されました。しかし、今でも50%以上の市民が反対している神戸空港建設を進めるなど、開発優先の路線は変わっていません。その結果、市民生活の苦しさ、中小企業の営業難は改善されませんでした。
わが党議員団は、こうした事態を招かないためにと、平成14年度予算で組替え動議を提案し、市民のくらし、福祉を守り、中小企業、地場産業を支援する施策を提案しました。この組換え案が実施されていたなら、市民生活、中小企業の営業の改善に役立っていたことは確実です。第二の理由は、苦しい市民生活の中で、国民健康保険料、高等学校の入学金、外国語大学、看護短大の授業料、幼稚園の入園料、保育料、軽費老人ホームの使用料、墓園使用料など、広範囲にわたって公共料金の引き上げが行われたことです。
これらは、すでに市民生活に大きな影響を及ぼしており、厳しい生活に追い討ちをかけるものとなっています。その上、リストラや高齢化など社会経済情勢の悪化によって、生活保護世帯は激増し、国保加入者は、全市人口の34.2%と増加しています。その中でも、生活が苦しく保険料を滞納している件数は、21%を超えています。これら被保険者に対して神戸市は、滞納世帯に救いの手を差し伸べるのではなく、短期証、資格証の発行などペナルティーの扱いを強めています。国民健康保険事業については、国や県に対して、負担割合の引き上げを求めるとともに、一般会計からの繰り入れを増やし、誰もが払える保険料に引き下げ、滞納世帯の発生を未然に防ぐべきです。短期証や資格証の発行は中止すべきです。
また、高校の授業料を滞納する子どもも年々増加しています。修学旅行の積立金を授業料にあて、修学旅行に行かないなど心の痛む状況が広がっています。このような現状に対処するため、神戸市奨学金制度の対象者を減らすのでなく、逆に広げるべきです。
各種公共料金の値上げは、市民の個人消費を冷え込ませ、より一層生活を苦しいものとするばかりか、神戸経済の再建にも逆行するものです。
第三の理由は、神戸経済を支えている中小企業・地場産業への支援がきわめて不充分だということです。震災で大きな被害を受け、必死に再建をめざして頑張っている復興支援工場やハイテクイースト工業団地入居企業が、使用料の軽減を求めているにもかかわらず、総括質疑でのわが党議員の質問に対して助役は、「民間家賃が下がったとしても、復興支援工場の家賃は下げない」との答弁をされました。しかし、国際ビジネスセンターなどに進出した外資系など外部企業には、震災復興基金を使って、賃貸料助成など至れり尽せりの支援策を講じていることは、決算審議の中でも指摘してきました。この事例が端的に示しているように、被災企業や地元中小企業への支援と外資系など外部企業への支援策は、あまりにも公平性を欠くものです。
第四の理由は、市民への負担増を進める一方で、神戸空港建設関連事業などには、惜しげもなく多額の予算をつぎ込んでいることです。新都市整備事業から一般会計への繰入額が、年々減らされているばかりではなく、その全額が医療産業都市への特定財源となっていることは問題です。繰入額を増やし、市民の暮らしや福祉・営業のために使うべきです。
JR新長田駅南震災復興再開発事業は、多額の投資を行いながら、手つかずの地域が多く残され、もといた権利者の多くが地域外に出て行かざるを得なくなるなど、とても「震災復興」を冠する事業とは言えない実態にあります。
神戸市営住宅事業会計については、家賃滞納を理由に市営住宅から強制退去させられる市民が後を絶ちません。神戸市は、家賃を滞納した市民には家賃減免を取り消し、ペナルティとして延滞金を徴収する厳しい措置をとっていますが、兵庫県などでは減免を取り消していません。わが党議員団は、初期段階から保健福祉局などと連携をとって、親身な対応をするよう求めてきました。しかし、都市計画総局の審査で、「滞納してもよいというム−ドが入居者の中に生じるので厳しい対応をしている。」と答弁されました。強制退去させられる被災者の中には、リストラで職を失ったり自立再建に失敗するなど、逆境の中に苦しんでいる人々が少なくありません。貯金も使い果たし、苦境に立たされている方が大半です。これらの方に対してこそ手厚い支援をするべきです。憲法で保障された居住権を守るためにも市営住宅の強制退去はやめるべきです
市民のくらしや福祉を守ることこそ自治体の役割です。今回の決算はこの立場に立っていません。
以上認定できない理由を申し上げまして反対討論といたします。議員各位のご賛同をお願いいたします。 |