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2005年03月03日

くらし支援の予算こそ

南原議員の代表質問

 私は、日本共産党市会議員団を代表して平成17年度予算および関連議案について、市長に質問いたします。
1) 小泉首相は、構造改革の名のもとに、アメリカと財界奉仕の政治を進め、国民の福祉・医療・暮らしを破壊し、雇用の不安定化をもたらしています。戦後60年の今年、憲法改悪にまで手をつけ、まさに、悪政の限りを尽くそうとしています。
 日本経済は、国内総生産(GDP)の成長率が3期連続でマイナスとなりました。最大の原因は、GDPの約6割を占める家計消費の減少によるものです。大企業の収益は急回復を遂げ、2003年度に続いて04年度も過去最高の収益を塗り替える勢いです。にもかかわらず、GDP統計の雇用者報酬は01年から04年で連続マイナスとなり、これが家計消費を冷え込ませているのです。その上に、05年度から06年度の2年間で、定率減税の縮小・廃止や、年金・介護・雇用保険料値上げなど暮らしの隅々まで及ぶ国民負担増が計画され、これらを合わせると総額7兆円にもなります。この新たな負担増は、神戸市民にとっては、さらに、地方税の増税と、地方税額によって決定される、国民健康保険料、介護保険料、保育料、公営住宅家賃など、暮らし全般の負担が一挙に引き上げられることになります。神戸市民の暮らしは、今でさえ、他都市と比較しても極めて厳しい状況です。今回の負担増は、市民にさらなる苦難を強いることになります。そこで、市民の暮らしを守る為に、この未曾有とも言うべき負担増に対して、神戸市として、対策を具体的に取る必要があると思いますが、市長のお考えをお聞かせ下さい。
 財政改革においては、地方自治体も黙っておれず、団結して、抵抗するという事態も生まれています。自治体が、その使命である、「住民の福祉の増進を図る」という立場を堅持しようとするなら、この小泉内閣の悪政に抵抗し、自治体が防波堤となって、市民の暮らしを守る事が最優先されるべきであります。
 
 この3年間、矢田市長は、笹山市長の路線を忠実に引き継ぎ、さらに進め、自治体の行政運営を「経営」に見たてた企業の論理を取り入れ、福祉や医療・介護など不採算部門を「効率化」や「民間委託」で切り捨ててきました。
 市民の暮らしの指標は、指定都市の中で最低を示しています。公営住宅の孤独死が相次ぎ、生活保護世帯が急増し、中小企業の廃業・倒産が続いているにもかかわらず、矢田市長が誕生してまず行なった事は、財政再建の名の元に、高齢者の医療の改悪、介護手当ての廃止、敬老祝い金の改悪などを強行しました。またさらに極めつけは、重度障害者にとって貴重な月額2200円の福祉年金を廃止したことや、生活保護世帯への夏期・冬期見舞金の廃止など、神戸市独自の上乗せ事業を容赦無く切り捨ててきたことが大きな特徴です。市民の暮らし応援どころか、切実な福祉施策をことごとく切り捨て、極限まで、市民の暮らしに大鉈を振るってきました。これが、市長の言う市民生活の豊かさ、の内容なのでしょうか。しかも、その一方で市民が批判し、止めるべきだと言いつづけてきた無駄な大型公共事業には湯水の如く財政を投入してきました。その延長線上に立って編成された、今年度の予算案は、いまなお、市民の批判が強い神戸空港や、その成否も不明なまま市民不在で進められている医療産業都市構想だけが突出しています。一方震災と長期不況・その上に小泉内閣の構造改革による暮らし破壊の三重苦にあえぐ神戸市民への具体的支援策は見えてきません。市民の暮らしを守り支えて、市民に希望を与える予算とはなっていないのであります。今、市民の暮らしが大変な時に、ムダな大型公共事業は止めて、市民の福祉・暮らし最優先の予算に改めるべき、という立場から、以下質問致します。

1) まずはじめに、市民参画について質問いたします。
 矢田市長は、事業の計画・実施・評価の各段階で市民参画をはかるため「市民による市民のための市政を進める条例」として昨年、市民参画3条例を制定されました。日本共産党市会議員団は、この3条例は、「計画・実施・評価」のいずれの段階でも市民参画は保障されていないこと、「市民の権利」が欠落していること、市民を市政に奉仕させるものであり、市民参画とは程遠いとして、市民参画を明確にした条例提案をおこなってきましたが、残念ながら否決されました。しかし、神戸市の参画3条例が発足し、実施された今日の段階で、わが党の指摘が正しかった事が証明されています。
 まず行政評価条例ですが、この間、この条例のもとに実施されてきた事務事業の見直しでは、市長の意向を忠実に反映された少数の評価委員の評価によって、市民のくらしに定着してきた切実な施策が相次いで切り捨てられてきました。この評価や、結果に対して、市民の意見は一切聞かれておらず、市民参画は保証されてこなかったのであります。
 また、「神戸市民の意見提出手続きに関する条例」いわゆるパブリックコメント条例でも、市民意見を形式上聞くだけで、反対意見は取り入れないものとなっており、市民や関係者から厳しい批判の声があがっています。
 たとえば、中央市民病院の移転問題等を内容とする新中央市民病院基本構想案に対するパブリックコメントはその典型的な一例であります。市民に対する事前予告もなく、資料もまともに提供されず、しかも、お盆を挟む夏休みに短期間で実施するというものでした。そういうなかで、移転に反対する意見やベッド数を減らすことに反対する意見が多数寄せられたにもかかわらず、こうした意見を取り入れることなく「市民意見を聞いた」として強引に実施するのは、おおよそ市民参画とはほど遠いものと言わざるをえません。
 この二つの事例に見られるように、本来、市民の意向を事前計画、実施、評価のそれぞれの段階で保証するための条例が、市民の切実な施策を切り捨てる道具や市民意見を形式上、取り入れたとするアリバイづくりとされたのではたまりません。
 この間、実施されてきた市民参画に関わる条例を文字通り、市民のくらしを守るための条例として生かされるよう抜本的に改善されるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、市民病院に対するパブリックコメントの結果のように、市の方針と対立する意見が多数にのぼった場合、自らの結論に固執せず、一旦、立ち止まって、改めて市民意見を聞くという内容を盛り込んだものに改善すべきと考えますが、いかがでしょうか。

3)大型開発事業について質問致します。市長の公約の中で、「開発から環境ふくしへ」というのはもっともインパクトが強く、期待を寄せた市民もありました。これまで進められてきた「山・海へ行く」と言われた開発事業に歯止めがかけられるのではと言う期待でした。しかし、その期待は全く裏切られたのであります。市民の6割以上が反対している、神戸空港建設を推進するための土取り場として拡張までした複合産業団地は売却が進まず、それでも、開発が続けられています。また、空港へのアクセスとしてのポートライナーの延伸・複線化は、さらなる赤字が予測されるにもかかわらず、市民の税金をつぎ込み、市民の声を無視して進められて来ました。この無駄な開発事業が新たな借金を生み、神戸市財政の大きな重荷になっているのは明らかです。こうしたムダな大型開発事業を改めることをこそ、市民は望んでいます。市長がかかげた公約との関係からも、ムダな大型開発事業から手を引くべきですがいかがでしょうか。

4)次に、ムダな大型開発事業の典型である「神戸空港」建設についてであります、来年2月16日開港に向けて、今年度予算の目玉になっています。今年度は、建設工事・関連事業・駐車場用地取得費などで、250億円余の予算が計上されています。開港に向けて、着々と進んでいるかのように見えますが、問題は、昨年末JAL,ANAなどの参入表明がなされていますが、航空路などは示されておらず、神戸市がたてた需要予測の根拠のなさがあきらかとなってきています。このことは、新年度予算案の着陸料収入が、神戸市がつくった収支計画からみても、説明がつかない数字となっていることからも明白です。建設に係わる国庫補助の分割計上問題、土地売却が全く進まない、予定以上に借金もふくれあがるなど、財政計画は既に破綻しています。それだけでなく、開港すれば、さらに経営の赤字が予測されるという心配があります。さらに、空港関連でいえば、158億円もの赤字を抱えて休止している海上アクセスまで、需要予測がないまま、開港にともなって再開しようとしています。計画が完全に狂ってしまった神戸空港は、開港を中止し、市民的議論に委ねるべきだと思いますがいかがでしょうか。

5)次に、医療産業都市構想についてであります  
 医療産業都市構想も莫大な資金投入を行なう、新たな開発事業の一つと言えます。既に755億円もの資金が投入されています。今年度予算では、23億円計上されています。
 そもそも先端医療の研究などは国家的事業として行うべきであり、財政難にあえぐ、1地方自治体が進める事業ではありません。研究は際限無く続くものであり、結果が出るかどうかも定かではありません。また、医療の研究は、企業利益や産業政策のために進めるものではありません。医療関係者からも強い批判の声があがっています。今後どれだけの資金を投入するかも明らかにされていません。いま必要なことは、一旦立ち止まって事業内容や財政問題などについて、全面的に資料提供を行い、市民的検証を行なうべきですがいかがでしょうか。

6)次に、中央市民病院の今後のあり方について質問致します。 中央市民病院移転問題は、市長の政治姿勢の凝縮版ともいうべきものであります。その進めかたは、市民不在で、医療産業都市構想の先端医療に特化し、市民の命を守る砦としての中央市民病院のあり方そのものを変えようとしているからです。今年度、1億4500万円の予算が計上され、基本構想に基づいて、基本計画の策定と施設整備のための設計に着手する予定です。この移転問題には、多くの市民から疑問がだされ、また日本共産党市会議員団が行なった市内全開業医へのアンケートの結果では72%の方が、移転反対を表明されています。神戸市がおこなったパブリックコメントでも、54%が反対との意志を表明されています。
 移転問題に対して市民から出されている疑問の第1は、市民病院としての性格を変えることになるのではないかということです。ふたつめは、財政の面からも大きな問題があることです。移転新築は莫大な出費となります。さらに、神戸市の現地改修案も多額の費用がかかることとなっていますが、これについては、多くの、公的病院建設にたずさわっている専門家からも、神戸市の積算単価が高すぎると指摘されているところでもあります。第3に、現在地よりも遠くなることによって、救急車の到着時間が遅くなることも含めて市民が利用する点でも問題があること。第4に、市民や医師などの合意が得られていない点。さらに、災害への対応という点から考えて、ポーアイ2期への移転は問題があることなど、5点の問題が解明されていないのであります。基本設計予算を撤回し、市民や、市内の開業医、建築家など、専門家の意見を広く聞くべきだと思いますがいかがでしょうか。

7)2万人雇用創出・中小企業対策について質問致します。
 新たに2万人の雇用の場を作るとしてこれまで、約一万四千人の雇用の創出をしてきたといいつつ、神戸市自身が、新たに市職員を3000人も減らそうとしています。失業率が、近畿圏の中でも、頭抜けている現状を打開するために、神戸市自身が、人減らしは止めるべきです。そして、真剣に民間への働きかけをおこなうべきです。
 いま、西区の西神工業団地にある、テトラパックという外資系企業が、多額の利益を上げているにもかかわらず、150人もの労働者を抱えながら工場閉鎖を行なおうとしていますが、ここに対して、「工場閉鎖を行なわないよう」市長が直接要望しておられる事は、労働者にとって大きなはげみになっています。大量の雇用の場を一気に失うことは神戸市にとっても大きな損害になるわけですから、真剣に、民間への働きかけを行うことは重要な事です。ぜひ、市内の、企業のリストラ計画を把握し、神戸市も関与できる仕組みを作るべきだと思いますががいかがでしょうか。
 中小企業対策について、市長は、「新分野、新産業に果敢に挑戦する中小企業やベンチャー企業、やる気を持った事業者を積極的に応援する」としており、既存中小企業への支援は全く無いと言っても過言ではありません。医療産業を中心とした、新分野・新産業の企業誘致に力を注ぎ、既存中小企業やケミカル産業への新たな具体的支援は、見当たりません。この度、ものづくり復興工場の駐車場料金の引き下げが恒久化されています。入居者の強い要望を具体化されたと思いますが、しかし入居者をこれで救えるものではありません。高すぎる家賃をしばらくの間、引き下げてほしいと言うのが入居者の最も大きな望みだからです。被災中小企業の実態は改めて述べるまでもありません。被災中小企業の皆さんは、一生懸命頑張っても、震災で多額の借金を背負い、そもそも大きなハンデイを背負っているのです。市内被災企業への民間賃貸工場家賃補助制度も打ち切られましたが、残して欲しいと言う悲痛な声は市長には届かないのでしょうか。緊急災害復旧融資の据え置き期間および融資期間の延長、民間賃貸工場家賃補助制度の継続、ものづくり復興工場やハイテクイーストの賃貸料の軽減など、既存中小企業への支援をこそ強めるべきではないでしょうか。質問致します。

8)介護保険制度の見なおしについて、
 介護保険の見なおしにあたって、準備のための予算7千300万円が計上されていますが、国が進めようとする見なおしは、到底認めがたいものであります。政府の見直し案は、在宅サービスの利用を制限し、高齢者の生活の支えになっているホームヘルパーなどの介護サービスを取り上げようとしていること、さらに、特別養護老人ホームなどへの「ホテルコスト」導入で利用料の大幅値上げがされようとしています。このことで低所得者は入所すら困難になってしまいます。
 現在でさえ、利用料負担が重いために必要な介護サービスが受けられない高齢者が多くおられます。施設不足も深刻です。こうした介護保険の構造的欠陥ともいえる問題をただし、高齢者が必要な介護サービスを受けられるようにしていくことが求められています。 見なおしにあたって、国と地方自治体の責任で、この制度的欠陥を解決することが求められています。そのためには、国庫負担を直ちに25%から30%に引き上げ、利用料、保険料の減免制度を、国として創設するよう求めるべきです。また、保険料は所得比例とし、利用料も所得に応じた額に改めるよう、国に働きかけるべきですがいかがでしょうか。

 「ホテルコスト」の名目で、全ての人の利用料が値上げされれば、利用者にとって大変な事態がうまれます。昨日梶本助役の答弁で、改悪後あたかも、利用料が軽減されるかのような答弁がありましたが、厚生労働省は、低所得者に対しては、負担の上限額を定めこの上限を超える部分について「補足的給付」を行うとしています。しかし、この「補足的給付」の対象が住民税非課税世帯とされているのです。国の税制改悪によって、非課税限度額廃止の影響で住民税が課税対象となり、大半の人が、この「補足的給付」も受けられないことになるのです。利用料が払えず退去を余儀なくされる利用者が出る可能性もあります。神戸市として、全施設の実態調査を行なうとともに、施設からの追い出しにならないよう、手立てを取るべきだと思いますが、検討はなされているのでしょうか。質問致します。

9)最後に平和問題問題について質問いたします
 今年は、アメリカが広島と長崎に原子爆弾を投下してから60年。非核「神戸方式」すなわち、「核兵器積載艦艇の神戸港入港拒否に関する決議」採択30周年にあたります。長年にわたる運動の積み重ねによって、核廃絶の世界的運動が大きく盛りあがっています。今年5月2日、国連で、「核不拡散条約(NPT)再検討会議」が開催されます。5年前の2000年に開催された「核不拡散条約再検討会議」で、アメリカを含む、核保有国が、「核廃絶」の「明確な約束」を行い、この「明確な約束」を実行させるかどうかが問われる重大な会議になります。この会議には、世界中から非核を求める自治体の長が一堂に会して、核廃絶に向けた大行動が予定されていると聞きます。 今年の一月、全国市長会も、「核兵器の廃絶を求める決議」を発表しています。
 矢田市長はこれまでも、世界から注目されている非核「神戸方式」を守ると言いつづけてこられました。この非核「神戸方式」を持つ自治体の長がこの「核不拡散条約再検討会議」に出席する事は、大きな意義があります。是非、矢田市長も、この国際会議に出席し、核廃絶を訴えて頂きたいのですがいかがでしょうか。

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