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2006年09月11日

森本議員の代表質疑

平成17年度公営企業会計決算

 私は,日本共産党議員団を代表して,平成17年度公営企業会計決算について,市長に質疑いたします。
 小泉内閣は,終わりを告げようとしています。小泉内閣の5年間は,規制緩和,官から民へのかけ声のもと,社会保障の連続改悪,郵政民営化,指定管理者制度など公的責任を投げ捨て,大企業や資本家の利益確保の政治を推し進めてきました。
 その結果,国民生活はどうなっているでしょうか。貧困と格差の拡大は,だれの目にも明らかになっています。若者をはじめとする就職難,派遣・請負の不安定雇用の増大など,国民全体に将来不安が広がり,さらに増税・負担増という痛みは耐えがたいものになっています。
 また,規制緩和と民営化の促進によって,JRの脱線事故,耐震偽装問題,プール事故など,国民の命や安全を全く無視した大事件が多発しました。お金もうけのためなら何をしてもよいというライブドアや村上ファンド事件を引き起こしました。国民に痛みを押しつけながら大企業の利益を最優先する,これが小泉自民党・公明党内閣が行ってきた5年間の実態です。
 さて,今回の公営企業会計決算について,審査意見書では,8事業のうち5事業が黒字,3事業が赤字,全体として好転と評価しています。しかし,公営企業のあり方については,地方公営企業法3条で言われているように,本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されているかどうかという点から見ることが最も重要だと考えます。
 当局は経営が好転などと評価しているものの,内容を見れば,本来のそれぞれの企業会計の目的から外れた職員削減による人件費の減少や,土地の売却等による特別利益の増加が主な要因となっています。本来の事業が好転したものではないのです。
 さらに,神戸市の公営企業に取り組む姿勢にも大きな問題があります。市民生活に直結しているバス・地下鉄・病院事業などについては,民間委託をはじめ市民サービスを低下させるような対策が中心です。
 例えば市民の足である自動車事業では,市民の声をよそにバス路線を廃止・分断した結果,大幅な乗客減を招きました。その後も乗客数の減少が続いています。そして,営業所の半分が民間委託され,大幅な職員削減が行われました。市民の命のとりでである病院事業でも,中央市民病院を今より遠いポートアイランド2期に移転し,ベッド数も削減しようとしています。
 他方,新都市整備事業会計や港湾事業会計では,これまで同様,大規模な開発,むだ遣いがそのまま進められているのです。新都市整備事業では,これまで開発した広大な土地は売れず,借金の返済も苦しくなっています。港湾事業では,取扱貨物量が震災前の半分程度にとどまっているのに,なお 300億円もの莫大なお金をかけてスーパー中枢港湾を建設しようとするなど,むだ遣いを重ねています。
 こうした神戸市のやり方は,市民の願いにも,本来の公営企業のあり方とも逆行しています。公営企業法第3条の精神に立ち返り,公共の福祉を増進するよう公営企業を運営すべきだと考えますが,ご見解をお伺いいたします。
 次に,個別の事業の中から数点質疑いたします。
 初めに,病院事業会計の中央市民病院の新築・移転問題についてお伺いします。
 私たち日本共産党議員団は,中央市民病院については,移転ではなく現地改修を行い,市民の命を守る,市民のための病院をと主張してきました。その理由は,一刻一秒を争う救急救命の拠点が,今よりも 1.3キロも遠方になること,ベッド数を 912から 640と 300近くも削減をすること,さらに先端医療センターの中核病院,医療産業都市構想の中心的な病院とし,お金持ちしかかかれない病院にしようとすることなどです。
 その上に神戸市は,神戸市民の命のとりでとされる中央市民病院を利益追求を旨とする民間企業に運営をゆだねるPFI方式によって,30年間にわたり 1,100億円もの債務負担行為を行って新築・移転を進めようとしています。これらは,市民のための病院という中央市民病院の本来の性格を大きく変えてしまうものになります。
 こういった批判は,これまでも市民だけでなく開業医の皆さんからも指摘されています。去る3月24日,神戸市医師会のビジョン委員会から,神戸医療産業都市構想への神戸市医師会の対応についてという答申書が出されました。この答申では,新中央市民病院の移転問題について,立地条件,病床削減,PFI方式などを詳しく検証した結果,中央市民病院のポートアイランド2期への移転と病床数削減には反対すべきであるとされています。この答申の指摘について,市長はどのように受けとめているのか,ご見解をお伺いします。
 次に,新都市整備事業についてお伺いします。
 新都市整備事業会計は,神戸市の開発行政の象徴として,これまで広大な土地を開発してきました。ところが,この土地が売れず,同事業会計は行き詰まり,借金返済も苦しくなっています。剰余金処分案では,これまでは一般会計に繰り入れていた剰余金を今回は繰り入れず,減債積立金に積み立てるとしていることからも明らかです。現にポートアイランド2期では,売却予定面積 190ヘクタールのうち売れたのは約16ヘクタール, 8.4%だけです。複合産業団地は,15.5%の売却率です。
 これまで市長は,開発した土地が売れていないことに対して,長期の計画だからなどと言い逃れしてきています。そして,インセンティブだと言いながら,採算度外視の大安売りまで行っています。しかし,今のやり方では借金返済のめどは立ちません。
 特に神戸空港の土地の売却については,全くめどが立っていません。市長は,建設当初には,海から土地が見えたら売れると言っていました。そして,土地ができてからは,航空会社が決まったら売れると言いました。そして,航空会社が決まったら,路線が決まったら売れると言い,路線が決まったら,開港したら売れると,その場しのぎの答弁を繰り返してこられました。2009年には 265億円,2010年には 650億円もの借金返済が迫っているのです。
 しかし,開港後,半年が経過しましたが,売れたとしているのは滑走路部分等です。借金を返還するために民間に売却しなければならない土地で売れたのは,レンタカー会社への 0.3ヘクタール,6億円のみです。まさに惨たんたる状況です。市長は,この現実に真摯に向き合うべきです。売れない土地を売るため,30名の特別体制の組織としてエンタープライズプロモーションビューローを発足させています。市長がキャプテン──責任者です。にもかかわらず,売れていないのが現実です。
 市長は,ビューローの責任者として空港の土地をどのように売却するのか,そして 2,000億円もの借金をどう返済していくのか,市民の納得できる答弁を求めます。
 次に,海上アクセス,ベイ・シャトルについてお伺いします。
 K−JETが休止になってから4年,再び関空を船で結ぶ神戸−関空ベイ・シャトルが7月13日に運航を再開しました。負債は 128億円,累積赤字を 160億円も抱えたままの再開です。しかし,再開後の利用客は,1便当たり 120人の定員にもかかわらず,平均15名にすぎません。惨たんたる状況であります。私も先日乗船をしましたが,神戸から関空の乗船客は,私たちを除くと8名,帰りの関空から神戸はたった2名でした。
 もともと再開を危惧する声は広く出されていました。その声を押し切って再開をしたのです。この危惧が現実のものになりました。だれがどう考えても,さらなる借金をふやすことは明らかです。市バスは,毎日22万人もの市民が利用しています。しかし,赤字を理由に,市民と働く人たちに犠牲を強いています。この態度と,余りにも落差が大き過ぎます。ベイ・シャトルは中止をすべきだと考えますが,いかがでしょうか。
 最後に,市民の足である自動車事業についてお伺いいたします。
 バスは,4年前,市民の反対の声を押し切り,多くの市民が利用していた長大路線は廃止・短絡されました。さらに,経営改革プランいわゆるレボリューション2004で,営業所の半分を民間委託し,西神の5路線など民間移譲も進められました。そして,職員も大幅削減されました。今,民間委託された現場では,1年契約で低賃金,不安定雇用,運転距離数の増加など,労働強化が進められ,安全性の確保が懸念されています。
 こうした神戸市のやり方は,市民の足を奪い,商店街や地域経済にも悪影響を広げています。バスの乗客数も減少し,赤字となり,さらに合理化することで利用者を減少させるというものです。事実,この間,営業キロ程,在籍車両数など事業実績は,すべて減少しています。まさに縮小再生産の道を歩んでいるのです。
 公営バスは,市民生活に不可欠な都市機能です。市内では,JR・地下鉄・民間鉄道などの主な鉄軌道は東西に走っています。バス路線は,南北にも広がり,全市をつなぐ役割を担っています。毎日22万人もの市民が利用しています。交通局長も市長も,公営交通を守るとこれまで何度も表明されています。公営交通事業が,地域経済,高齢者の外出,障害者の移動手段など福祉面,市民生活上で果たしている役割を改めて認識すべきです。そして,縮小ではなく,路線を拡充させるなどして乗客をふやす手だてをとることこそ必要ではないでしょうか。市長の答弁を求めます。
 以上,市長の明快な答弁を求め,私の質疑といたします。

(答弁要約)
■矢田立郎市長■ 地方公営企業について
 地方公営企業法第3条の規定は,地方公共団体は住民の福祉の増進に努めていくとともに,最小の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないと規定をされている。地方自治法における地方公共団体の事務処理に当たっての一般原則に加え,民間企業と同様に企業の経済性を発揮して効率的・合理的な業務運営を行うことで,最小の経費で最良のサービスを提供することをより強く求めたものと解される。
 地方公共団体によって経営されるものである以上,民間企業のように単に営利を目的とするものではない。公共の福祉の増進という観点に立って運営されるべきことは当然。
 しかし,地方公営企業の活動は,給付をその受益者の負担により賄う独立採算制を基本とする点において,民間企業の経済活動と何ら異なるものではない。企業の経済性の発揮と公共の福祉の増進の両立と理解され,神戸市も法の精神にのっとり経営を行っている。
 経済社会環境が急激に変化をする中で,地方公営企業のサービスのあり方を見直し,増大・多様化する市民ニーズに柔軟かつ的確に対応できる持続可能な仕組みへと再構築を図っているもので,市民の暮らしに直結する事業の整理・縮小とのご指摘は全く当たらない。

■ 交通局のバス営業所の管理委託について
 路線の再編成後も乗客数の減少がさらに進み,危機的な経営状況になったために,さらなる経営の効率化・健全化が必要でで平成16年にレボリューション2004を策定。管理委託しても市バスであることに何ら変わることなく,安全そして安定運行を確保し,委託前の運行サービス水準を維持することを基本として路線の変更,増便また始発時刻の繰り上げ,終発時刻の繰り下げなど,民間事業者のノウハウも活用しながら,市民・利用者の利便性が向上するように取り組んでいる。
 また,市民サービスの向上が図れるように,丁寧な接客・運転に努めるというふうなことも積極的に対応しており,市民・利用者の方々から評価もいただいておる。

■梶本助役■ 中央市民病院の移転について
 神戸市医師会報7月号によると,答申は,平成16年7月に医師会の将来のあり方を検討するために内部に設置されました神戸市医師会ビジョン委員会へ諮問された神戸医療産業都市構想への神戸市医師会の対応について審議した結果を,この3月24日付で神戸市医師会長あてに答申されたもの。この答申書で懸念されていることは,要約すると,医療産業都市構想を推進しているポートアイランド第2期に,中央市民病院が病床数を減らして移転することによって,高度先進医療に重点を置く病院となり,市民から期待されている救急・急性期医療が後退するんではないかと言う指摘だ。
 しかし,新病院におきましても,現病院と同様,市民のための総合病院としての使命を果たしていくことに何ら変わりはない。

■鵜崎助役■ 新都市会計について
 土地売却についは,常にすべて現在進行形でとらえている。空港島にいてもアイ・エヌ・ジーで。確かに平成21年から起債の償還が大きくふえてくるということでございまして,今後エンタープライズプロモーションビューローを中心に,さらに粘り強く誘致活動をして,起債償還の資金確保に努める覚悟だ。

■ 海上アクセス(ベイシャトル)について
 ベイ・シャトルは,神戸空港と関空,これを最短でつなぐ公共交通機関で,この2つの空港のシンボルとして,神戸市及びその周辺地域にとって非常に公共性の高い重要な事業である。国土交通大臣の意向も受け,国の関連機関も入った「関空−神戸海上アクセス利用促進協議会」において,利便性向上等について取り組みを強化していくということが確認されている。
 再開後,9月7日までの約2カ月間で,3万 8,000人余りの方が利用。1便平均すると17人程度になる。1便30人程度のご利用を見込んでいた。すぐにやめというのは,もう少し──もうちょっと頑張れと言っていただくようなことが本当はいいんではないかなと。

(再質問)
■森本 真■ それでは,再質問させていただきます。
 まず初めに,空港の土地やベイ・シャトルの問題です。いつまでアイ・エヌ・ジーが続くのか,これが市民が一番心配していることであります。借金を払わないといけないのにアイ・エヌ・ジー,アイ・エヌ・ジーと言っといたら,その借金が──市民が払わなくてはいけない,市民負担がのしかかることを心配しています。
 ベイ・シャトルもそうです。だれが考えても,どういろいろPRしても,バスで三宮から行く方がずっと便利なんです。与党の皆さんも附帯決議をつけましたけれども,本当に心配をしてて,この借金だれが責任をとるのか。土地の開発の問題も,ベイ・シャトルの問題も,その借金の責任はだれがとるのか,お伺いしたいと思います。
 それから,中央市民病院の問題です。助役が何度も言われていると言いましたけども──言われているんですけど,専門家の医師の皆さんが集団で論議されて,この助役が言ったすべての問題について大変な危機感があると。特に先端医療財団と先端医療センター,中央市民病院が実験的医療の倫理的な問題,混合医療がもたらす経済的余裕のある人のみが受けられる階層性の問題,そして税金を投入して市民の命を守る市民病院が変質をされてしまう危険性を指摘されているんです。
 で,いろいろ問題があるんですけども,ここでは中央市民病院と先端医療センターとの診療部門の連携に係る基本協定で,事実上一体運営がされていると思うんです。このことは,先端医療の研究,実験的医療を中央市民病院の患者を利用しながら行うことを意味しているのですか。だからこそ,わざわざ先端医療センターの隣に,病床数を削減して市民病院を移転しなければならないのですかということをお伺いしたいと思います。
 さらに,バスの問題ですけども,中央市民病院は脳卒中とかいろんなセンターをつくるとか言ってますけども,バス事業と鉄道事業を体に例えると,JRや地下鉄は大動脈です。バスは毛細血管です。路線廃止や分断をすると,血管が詰まって心筋梗塞や脳梗塞になる。そして,市民生活や商店街など,地域経済に大きな影響を与える。だからこそ死なないように,壊死しないように,十分な栄養のある血液を──バスを市内に循環させないといけない。その栄養となるものは市民の声だと思うんです。無理やりいろんなところを切って,それで後で小型や中型や地域密着だと言っているんですけど,本当に市民の声は,81や82,91や92などのバス路線をもとに戻してほしい,それから本当に地域に活用できるバス路線を知恵を出してつくってほしい,そういうことが願いだと思うんです。
 だからこそ,ベイ・シャトル,ごっつい赤字が見込まれますけども,ベイ・シャトルにお金をかけるんだったら,市民の声・ニーズを聞いて,バス事業を見直すべきだと思いますが,いかがでしょうか。3点質問します。

■矢田市長■ バスの件だが,市民の声をさまざまにお聞きしながら,地域密着型バス路線というものを構築してきた。
 市民病院で,実験的医療を市民病院の患者に適用していくのかというが,そういったことを私どもが申し上げているんではございません。むしろ先進的医療をや市民の多くの方々にこの中で使っていただくということが大切ではないか。世界全体の動きを見ていく中で,先進医療というものは大変重要であると。
 空港等の関係だが,先ほど助役からアイ・エヌ・ジーがつくんだということについて,いつまで続くんかというお話だが,これはやはりこの中で,これを進めていく場合においてそういう状況があるんだということを申し上げております。

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