大かわら議員の「療養病床削減の中止を求める意見書」提案説明
「療養病床削減計画を中止し,安心できる医療・介護・福祉の基盤整備を求める意見書提出の件」について
私は,日本共産党議員団を代表して,議員提出第66号議案療養病床削減計画を中止し,安心できる医療・介護・福祉の基盤整備を求める意見書について,提案説明を行います。 医療保険制度改革関連法が6月に成立し,その柱の1つに療養病床の大幅削減が盛り込まれました。現在,全国にある療養病床は,医療保険と介護保険適用を合わせて38万床になります。計画では,これを廃止・削減し,6年後までに半分以下の15万床にするとされており,神戸市でも約 1,500床が削減されます。このような病床数の削減計画は,長期入院患者が追い出されることになり,地域の医療と介護に深刻な打撃を与えることになります。 また,この7月の診療報酬改定は,これを先取りする形で行われました。療養病床について,医療の必要性が低いとされる医療区分1の入院基本料を大幅に引き下げました。医療区分1の患者は,厚生労働省の調査によると,医療型療養病床の50.2%に上っています。そのため,大半の療養病床では経営が成り立たないという状況が危惧されており,既に休止に追い込まれた病院も出始めています。これまで厚生労働省は繰り返し,患者の追い出しにはつながらないと言ってきた答弁と,現実は大きなずれがあるのです。療養病床を持つ医療機関への実態調査を緊急に行うべきです。 そもそも厚生労働省は,2000年11月の医療法改悪で,結核・精神・感染病床以外のその他病床に,一般病床と長期入院患者が入る療養病床の区分を新設し,2003年8月までにどちらにするのか届け出るよう医療機関に求めました。このように長期入院患者が多い医療機関に対して,療養病床を届け出るよう誘導したのは政府です。にもかかわらず,わずか3年で今度は療養病床の大幅削減を計画しているのです。余りにも無責任な姿勢ではないでしょうか。 厚生労働省は,療養病床削減の根拠として,入院患者の半数が医療の必要性が低いという調査結果をもとにしています。しかし,この調査で医療の必要性をはかる物差しとなったのが,医師の治療に対する指示の変更があるかないかでした。慢性期で同じ治療が継続されていれば,医療の必要性がないとして切り捨てられることになります。 例えば,脳梗塞後遺症で寝たきり状態,重度の意識障害があり,食事も口から摂取できず,胃に直接穴をあけ,挿入したカテーテルから流動食注入,その上に心不全など内臓疾患もあり,薬による継続した治療が必要な長期入院患者,こんな人でも医療区分1で医療の必要性が低いという判断になるのです。 ある高齢のご夫婦は,ご主人が寝たきりで,まさにこの状況です。長期入院をされていましたが,今回の改正で病院を出ていくように迫られています。70歳を超えた奥さんは,ご自身も体が悪く,とても自宅での介護ができる状態ではないと途方に暮れられています。この奥さんは,このままでは遠方の施設を探すしかない,これまでの人生をともに過ごしてきた主人と,人生の終わり近くになって別々の生活を強いられることになると涙ながらに話しておられます。このような人たちを犠牲にするこの計画は,余りにも理不尽です。 厚生労働省は,このような患者の受け皿として,特別養護老人ホームや老人健康保健施設などを挙げています。しかし,特別養護老人ホームの入所待機者は,全国で約38万 5,000人,神戸市では 4,800人にもなります。そんなに簡単に入れる状況ではありません。その上,こういった施設では看護の体制が薄いため,医療的ケアが必要な患者は短期入所に限られたり,入所自体を断られるケースが多いのが現状です。結局どこにも行き場がなくなるのです。 政府が減らそうとしている社会的入院は,これまで政府自身が説明してきたとおり,受け入れ条件がないために退院が不可能な人たちです。療養病床の削減に伴い退院させられる患者は,結局医療難民,介護難民とならざるを得ないのです。 このような事態を防ぐためにも,療養病床削減計画は直ちに中止し,安心できる医療・介護・福祉の基盤整備こそが急がれるべきです。 以上,議員の皆様のご賛同をお願いいたしまして,提案説明といたします。 |