企画調整局審査での本岡議員の質問と答弁
本岡節子議員 (1)市民生活の豊かさについて 本会議で我が党の段野議員は、福祉の切り捨て、税金や国保料、介護保険料の大幅負担増が進められる中で、市民が「市民生活の豊かさ」を実感できていないことを指摘しました。 段野議員も示しましたが、私たち日本共産党議員団は、市民のくらしの実態を把握するため、市民アンケート調査をおこない、市内の7千を超える世帯から回答が寄せられました。「小泉改革であなたのくらしは良くなりましたか」の問いに対し、くらしが悪くなったという人が67%、良くなったと答えたのはたった2%でした。また、「税金や国保料などの負担が増えましたか」の問いに、70%が増えたと答え、そのうち半分の人が10万円以上の負担額だとしています。いざなぎ景気を超えたと報道されていますが、庶民には「景気回復はどこの話か」というのが実感です。 その背景には人件費削減のためのリストラがあり、県下の現金給与総額は2001年以降、前年度比マイナスか横ばい、個人消費が冷え込んだままです。その上に政府による増税などの負担増が庶民を直撃しているのですから、こんな時こそ、住民のくらしを守り応援する地方自治体の役割を発揮することが求められているのです。ところが、国の政治と同じように、神戸市も介護保険料の値上げや福祉の切り捨てなどをすすめ、神戸市民にとっては「市民生活の豊かさ」とはほど遠い実態ではないでしょうか。 17年度予算編成では、市民所得10%アップなどをかかげておられました。ところが実際は、市民所得はアップしていません。 本会議では市長が、「経済的な豊かさだけでなく、歴史的特性をふまえた神戸らしい豊かさ、市民一人一人の豊かさが保障される」という視点だと言われました。また、神戸市が様々な施策に取り組んでいるとして、予算配分を行い市民所得の向上のために努力しているとも言われました。しかし、経済的な豊かさなくしてどうして市民が「豊かさ」を実感することができるでしょうか。市長の「市民生活の豊かさ」についての認識は、市民感覚とはあまりにもかけ離れています。企画調整局は、市民の暮らしをよくするために様々な企画、計画を立てるのが大きな役割です。 そこで局長にお聞きしますが、いま、市民が生活の豊かさを実感していると考えておられるのでしょうか、伺います。
(2)次に、医療産業都市構想について伺います。 17年度までの医療産業都市構想への投資額は、国の事業費も含めて880億円とお聞きしました。他にも神戸市は、ポートライナーの延伸複線化事業など神戸空港関連事業、複合産業団地など、大規模投資事業を進めています。こうした事業は、財政面からも深刻な事態となっており、これらの借金の付けが財政を不安定にし、今後市民の負担になるのではないかとの不安の声も出ています。一方では市民は増税や国民保険料などの大幅な負担増で苦しい生活を強いられているのです。 医療産業都市に投じる880億円のお金を、仮に既存の中小零細企業や市場・商店街に回すとしたら、地域にお金が回る直接効果になることは確実で「市民生活の豊かさ」を実感できるものではありませんか。市民が望んでいる施策がなにかをつかんで、それを実現するための計画、施策を提起することも企画調整局の大きな役割だと思います。 私たちが行った市民アンケートでは、市民が望んでいるのは、国保料や介護保険料などの負担軽減策が7割近くもあります。同時に、環境対策や若者の就労対策も40%を超え、児童の安全対策や子どもの医療費無料制度の拡充などは30%を超しています。逆に、神戸空港の利用促進という声は16%にすぎません。企画調整局が進めている医療産業都市構想も17%にとどまっているのです。これが市民の声です。 いまの神戸市の市政や施策は、こうした市民の声とかけ離れています。国の悪政と同時に、神戸市がすすめる施策の結果、市民が豊かさを実感できないのです。市民が豊かさを実感するためにも、市民の要望に応え、市民のくらしに光をあて、くらしを応援する施策・計画を進めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
(3) 新交通ポートライナー 神戸空港の開港後、ポートライナーの乗客数の実績は、18年度上半期で一日あたり平均4万8千人にとどまっています。需要予測5万2千人を大きく下回っています。空港開港後、駐車場の24時間無料化やリムジンバスの運行なども影響しているかとも思いますが、市民が指摘していたように、需要予測が過大だったことを示しています。このことは、新交通株式会社の経営にも影響を与えます。 ところが、新交通株式会社は今後、空港島での延伸計画や車庫用地の買い取り、三ノ宮駅舎の改修などの基本計画は見直されていません。これ以上の投資を進めることは、新交通株式会社の経営をよりいっそう深刻化させることは確実です。基本計画を見直し、これ以上の無駄な投資は止めるべきだと思いますがいかがでしょうか。
(4) 外郭団体について 市長は11月10日の記者会見で、外郭団体の整理問題について、最大五団体の廃止などを検討していることを明らかにされました。 この市長発言に関連して、私は最初に廃止すべき外郭団体は、海上アクセス(株)であると考えます。 16年3月の「外郭団体経営評価委員」報告書で、海上アクセス(株)について報告されています。そこでは、【課題】として、多額の債務超過という財務面で解決すべき大きな経営課題を抱えている。会社の存続の可否・適否そのものについて検討すべき・・・とされ、 【助言・提案】では、会社再建計画を基軸とした経営計画の策定を早期におこなうこと・・・事業再開の適否検討に際しては、事業性評価の為の十分な調査・分析が不可欠・・・民間企業を対象として売却等を検討すべき・・などと指摘されています。 ところが、海上アクセス(株)は158億円の債務を抱えたまま、神戸市が10億円の債務補償をして新しく「ベイシャトル」も買入れ、ことし7月に再開しました。経営計画では、本年度は2200万円の赤字、19年度には黒字となるとされています。この計画は、今年度は34万人、19年度は48万人、23年度は60万人が利用するという前提でつくられています。ところが、実際は、乗客数は120人定員に平均15人、10月は13人と、下降線をたどっているのです。 そこで伺いますが、まず、存続の可否について、どのように検討されたのか、伺います。 また、経営評価委員の報告も無視して、多額の債務を抱えたまま事業を再開し、毎日赤字を垂れ流しているような事業は、ムダ遣いとしか言いようがありません。海上アクセス(株)は廃止すべきだと考えますが、いかがでしょうか。 午前中の審査で、大学が来るので乗り切れなくなるほどになるといった。しかしいまの需要予測は、大学が来ることは反映したものではない。需要予測が達成されていないのは事実だ。
大麻博範企画調整局長 市民生活の豊かさの観点から、市民所得だが、2010ビジョンでうたっているが、2010の神戸将来像では豊かさ想像都市神戸を掲げている。より分かりやすくということで具体的に把握する指標として、2つ掲げている。1つは暮らしの満足度、もう1つが市民所得だ。2つの指標も、2010年目指して、民学産共同で目指すという位置づけだ。暮らしの満足度調査、1万人アンケートで回答を得て、5段階評価で点数化して平均値を出している。策定時は15年度数値が、3.19という評価だ。これを2010年に3.5へと1割アップすることを目指している。社会経済情勢の影響を受けやすいので、単年度で一喜一憂することではないが、年度ごとに情勢とらえて分析することが必要だ。17年度の1万人アンケートでは3.69になっており、目標は超えているが、一喜一憂で固めるものではない。市民所得だが、市民所得は個々人の所得ではない。統計上の用語で、企業所得や財産所得等を足して総人口で割った数字で、都市間比較とか変化がみやすい特徴がある。統計の数値で平成13年度は、13大都市中12位と低位になっていた。2010年には、中位まで持っていこうというように定めている。ちなみに考え方を踏襲し、施政方針が出たが、その中では、市民所得の10%増を目指すとなっている。市民所得を見ると、策定時が12位だったものが、15年度の経済年報から拾うと、1人当たり273万9000円になっている。順位では昨年と変わらず12位と変化なく、下位にあるということだ。これらを今後2010年に向けて、12のアクションプランを進める中、企業誘致、みまもり事業、新たな2万人雇用創出などで、2010年には中位までもっていこうと定めているので努力したい。
神田勉参与 医療産業都市の投資についてだが、この構想は関西の産官学の連携で、先端技術の集中、医療関連企業の誘致集積で、既存産業の高度化と活性化、雇用確保、医療サービス水準と福祉向上、アジアの医療技術の向上に貢献するという目的を持って取り組んでいる。17年度決算額までは、トータルで880億円、国からは440億円、中核施設の整備で350億、構想推進で90億円程度となっている。構想できた後12年には復興特定事業に認定、再生プロモーションビューローにも選定された。国家的プロジェクトだ。今年は中小企業基盤整備機構が、事業主体で医療機器開発センターも2月に開設する。健康開発センターも9月開設、理化学が新しくなり、研究開発拠点も整備した。880億の投資のかなりは国費の投入だ。機関の整備と研究開発、事業家の取り組みで、100社を超える医療関連企業の集中、1800人の雇用も創出、市長トップに誘致開発を進めていた。ベーリンガーインゲルハイムが進出をポートアイランドU期に決めた。今後さらに進む。経済効果については、健康科学振興会議で、いろいろ検証作業をしてもらっている。17年度の進出企業の売り上げとかも含めたアンケートで集計したい。結果については振興ビジョンで公表する。先端医療センターで、ペットを活用したガン検診、先進医療で認められた前立腺ガン治療、CTのカテーテル使った治療、骨髄移植などの臨床研究も進んでいる。市民雇用確保と高度医療の提供で、市民の福祉の向上に寄与している。
横山公一企画調整部長 海上アクセスだが、平成18年2月に神戸空港が開港、来年8月2日に関空2期ができる。ベイシャトルは関空と最短で結ぶ路線として開港した。シンボルとしては、公共性の高い事業だ。再開について、国の機関、利用促進協議会、関空本部において、再開が強く求められていた。ご指摘のように、現在の利用状況は伸びていないとは聞いている。原因は、乗り継ぎなどの利便性が向上しているなどのPR不足、団体客の確保などが不十分だということだ。休止期間が長かったので、定着に少し時間がかかるということが考えられる。海上アクセス社と所管のみなと総局でPRに努めるとともに、乗客増対策に努める。各施設にポスター展示や各種団体へのPR、ワンDAYチケットの販売、往復と駐車料のセット料金の販売、キャンペーンなどで利用促進を図っている。経営委員会の意見だが、評価を受けた後、10億とかの採算性のシミュレーションなどを慎重かつ厳しく再開の判断をしたと受け止めている。会社とみなと総局が活性化に向けて不退転の決意で取り組んでいる。今後の推移を見守り、指導、調整していく。
辻明男企画調整部参事 ポートライナーについてだが、第U期整備と空港開港、ポートアイランドの新しい利用で、対処しようと新たな鉄軌道として取り組んだ。13年度着工し2月に開業した。事業費はインフラ合わせて518億円で事業終了した。1200億円は、10年度に鉄軌道を導入するため、機種選定検討委員会で検討した。最大15万人の需要に対応できる機種として検討された。その際に概算として算出された数字だ。計算ベースは車両や駅の移転なども入っているが、試算値として理解している。事業課に入ってからは特許申請の段階で、516億円と見込んで事業を始めた。最終的に終了した段階で518億円だ。利用実績だが、計画値を下回っているが、企業利用が少ないかと思う。ポートアイランドU期への企業進出が進んできているので、更に会社でも乗客誘致の取り組みもしている。今後徐々に計画地に近づいていく。
本岡議員 市民生活の豊かさだが、説明はあったが、13位中12位ということだ。努力するというが、15年度の市民経済計算をみても、企業所得は好転しているが、雇用者所得などはマイナスだ。結果として0.4%マイナスになっている。15年度の数字だが、神戸市がどのような施策を打つかというのが、この結果になっている。そういうことでは企画調整局がどんな施策を打つか。市民生活の豊かさというところに視点を持つことが大事だ。一喜一憂するものではないというが、所得が上がるための施策がいま必要だ。雇用所得、財産所得を増やす施策が必要だと思うが、今もいったように、負担増などにもしっかり目を向けるべきだと思うがどうか。 医療産業都市だが、午前中から、100社になったとか、お褒めの言葉を言っているが、ほとんどが賃貸借で、土地処分は進んでいないのは明らかだ。どのように市民所得に影響しているか示せていない。神戸空港があるので魅力的だというが、空港島の売却も進んでいない。医療産業都市を進めるのではなく産業高度化というなら、既存中小企業に光を当てる施策こそ必要ではないか。 ポートライナーだが、この間、何度も下方修正してきた。努力してこれからあがると見込まれるというが、下方修正してきたこと自体が問題だ。駅舎改築とか車庫用地となると数百億の資金がいる。税金投入も予想される。今後、着手するという計画があるわけだが、これに対してこれから先どのようにされるのか。企画調整局として名言をお願いしたい。 アクセスだが、評価委員報告では、存続についても検討せよといわれている。先ほどの答弁では、利用増対策ではあるというが、不退転の決意で、負債のある事業を進めるべきなのか。報告書では、存続について検討せよといっている。計画の中では、実行評価、検討、PDCAの確立が必要だと書いてある。いろんなところで出てくる。検証してチェックはするべき事業だと思うが、どのようにチェックされているのか。決意はいい。市民にとっては赤字をどんどん増やすだけになるがどうか。
大麻局長 豊かさで、もっと豊かになるような施策をというが、趣旨はその通りで、我々もその意志で2010ビジョンも策定した。中小企業対策も入った総合的ビジョンだ。ビジョンをやり遂げることで、掲げている目標を定めているので、ご理解を。 新交通の車庫用地の話だが、従来から延伸事業は516億という数字で、518億が決算になっていると思うが、この延伸事業するにあたって、特許を国に申請している。この時の需要が見込めるかということで、最終的には8万弱とみている。8万弱が、空港、ポーアイU期も活性化し、という段階で8万人を越える段階になると、今の形では旅客数に対応できないので、車両増をする必要があるし、駅舎でも対応できない。車庫もいるということで、将来的な課題として思っているが、今、局としては延伸事業、駅舎拡大とまでは至っていない。乗客数が伸びることだ。
神田参与 医療産業都市構想だが、これまでの市民に高度医療提供するとか、中小企業についても、神戸市の機械金属工業会などで、研究会をつくり、一緒に医療機器開発強化に取り組んでいる。経済効果だが、880億円の投資の中で、600億円を超える国費だ。このことによる経済効果もそれなりの大きな要素だ。詳細については、今推計作業中で、年明けにまとまったら市民にも知らせる努力をする。
横山部長 海上アクセスだが、15年度に、評価委員会からもらっているが、その後に、需要のシュミレーションをやって、再開を判断した。不退転の決意だけでなく、徹底的なコスト削減、駐車場の付帯事業の展開など、経営努力をする、ということで改善すると聞いている。
本岡議員 企画調整局というのは、調査や統計を元に、市民のくらしや豊かさを実感できる施策をつくるものだと思うが、聞いていたらバラ色論を振りまくところかと思う。機械金属工業会の話はもっと前から聞いているが、進展が見えない。ポートライナーは大学のことがあるかと思うが、このような見通しだけで、なぜ進めるのか。需要予測見ても、今後も何百億円も使う計画を進めるのは問題だ。海上アクセスも、存続の可否について検討したというが、報告でいわれているのに明らかにされていない。120人乗りに15人、10月は13人に減った。17人になって喜んでと、大変低いところの数字を並べている中、不退転の決意といわれても市民は納得できない。暮らしに目を向けて、着実にすすめられないと暮らしの豊かさは考えられない。
※答弁は事務局がメモでとったものです。 |