2005年度決算の認定に反対
本岡議員が決算反対討論
私は日本共産党議員団を代表して、平成17年度一般会計決算及び特別会計決算のうち、決算第9号、決算第10号、決算第12号、決算第20号、決算第21号及び決算第24号の6議案について、只今の委員長報告に反対する討論を行います。 17年度予算の施政方針で矢田市長は「市民一人あたりの市民所得10%アップ」を公約に掲げましたが、先日発表された前年比市民所得はマイナス0,4%でした。このことは、神戸市がすすめている政治が市民のくらしを向上させ家計を応援するものとなっていなかったことを示しています。平成17年度決算のうち反対する6議案は、くらしや福祉を守ってほしいという市民の願いにこたえるものではなく、認定することはできません。以下、反対の理由を申し上げます。
反対する第1の理由は、市民不在の不公平な市政が続いているからです。 矢田市長は、今年2月、市民の反対を押し切って神戸空港を開港しました。未来をいくらバラ色に描いても、現実には乗降客数は年間319万人の需要予測を大きく下回り、たとえ今後、全便が満席になっても達成しないことが明らかになり、さらに、全日空は来春以降、新潟便、鹿児島便から撤退することが発表されました。みなと総局の審査では「沖縄便の着陸料減免措置が終了するため管理収支は5年後から赤字になる。見直すべきではないか」との問いに「見直すつもりはない。がんばって黒字を確保したい」と現実を直視しない答弁に終始しました。また、空港島の土地売却でも、新交通が車庫用地として7,8fを210億円で買取る計画について、梶本助役は「計画では平成32年、買取りは現時点では考えていない」と答弁しています。具体的に売却先が決まっている土地でも、いつ売れるかわからないのです。2009年度から償還が始まりますが、全く目途がたっておらず、あまりにも無責任です。 また、今年4月、村岡功自民党市会議員団長の逮捕に始まった神戸市構造汚職事件では、2名の現職市会議員が逮捕され辞職に追い込まれました。市長室が検察によって捜索され、矢田市長はじめ助役、幹部職員が参考人として事情聴取されるという、神戸市の歴史に汚点を残す事態となりました。裁判では、検察側の示した市職員らの証言内容と関係議員の発言や当局が実施した職員のヒアリング内容が180度食い違っていることが明らかになっています。「単なる表現の違い」などではありません。にもかかわらず、市長は「職員ヒアリング資料」の公開を拒否し、市民への説明責任を果たそうとしていません。汚職問題に対する神戸市の姿勢が問われる問題です。 疑惑がもたれている御影工業高校跡地売却問題では、新コンペ方式の採用によって、84億で入札した業者が116億円で入札した業者を抑えて落札して、32億もの損失を与えたことについて、行財政局は「想定した売却額よりも高いので、損をしたということはあたらない」などと、市民感覚では考えられない、無責任な答弁をしています。
第2の理由は、相変わらずムダ遣いが行われているからです。 空港関連事業のポートライナー複線延伸化事業で518億円、海上アクセスの再開のため「ベイシャトル」の債務保証に10億円など、採算を度外視した事業が強行的に進められています。関空と神戸空港を結ぶ海上アクセスは158億円の負債を抱えたまま7月に再開しましたが、120人定員のベイシャトルの乗客実績は平均7月15人、8月17人、9月14人、10月13人です。「民間企業なら成り立たない、中止すべき」との質問に当局は「PR不足が原因、努力する」と強弁しています。その他にも、総事業費も明らかになっていない国営明石海峡公園に、これまで60億円近く支出し、事実上凍結されている文明博物館群構想でも、新都市整備事業会計から用地買取りのために16億円も使われています。これでは到底市民の理解を得ることはできません。
第3の理由は、国や県による負担増の政策から市民のくらしを守る姿勢がないからです。 17年度は小泉自民・公明内閣による大増税で、定率減税の半減、公的年金控除の縮小、老年者控除の廃止などで、国民に5兆2千億円の負担増を押し付けました。さらに、年金保険料、雇用保険料の値上げや、市税の値上げに連動した国民健康保険料、介護保険料、市営住宅家賃の値上げ等の負担が増えることになります。負担増は来年以降も連続してすすめられます。神戸市はこうした負担増に対する緩和措置をとるべきですが、極めて不十分です。また、兵庫県との協調事業である福祉医療制度についても改悪され、乳幼児、母子家庭、高齢者、障害者等の医療費負担が増えました。 国や兵庫県の増税や社会保障の削減計画に反対し、市民の不安を解消して、くらしをささえる施策が求められていますが、対応がなされていません。
第4の理由は、公立保育所の民営化を進めているからです。 多くの保護者や住民の反対の声を押し切って、今年4月、3カ所の公立保育所がはじめて民営化されました。鈴蘭台北町保育所では、民間移管される直前の3月末日でも新旧の引き継ぎを行うことができなかったなど、保育の継続や移行期間で多くの課題があります。にもかかわらず神戸市は、来年4月から、あらたに3カ所の民営化に向けて手続きをすすめ、さらに、20年度に民営化する保育所も発表しました。来年度民営化しようとしている保育所の保護者や子どもたちは民営化の差し止めを求めて裁判所に提訴しました。ところが神戸市は、保護者や市民の意見を聞く姿勢はなく、強引に民営化をすすめることは許せません。
第5の理由は、神戸経済の深刻な事態を打開するための手立てが不十分だからです。 神戸市は、震災と不景気に喘いでいる地元中小零細企業を置き去りにし、一方では外資系企業などの誘致を進めるための優遇措置を講じ多額の資金を投資するなど、経済政策が逆立ちしています。経済の主役である中小業者を支援する振興策を最重点に進めることが、神戸経済の活性化への道であるのに、そうなっていません。また、震災十年の節目の年に、震災関連の市税や市営住宅使用料などの減免や被災者支援策を縮小・廃止したことは許せません。
第6の理由は、市長は「市民参画3条例」を制定し、住民の市政への参画を強調していますが、実態は市民参画に程遠いものになっているからです。 日本テルペン化学工場跡地の悪臭被害は、市民のくらしと健康を守る自治体の基本姿勢が問われる問題です。周辺住民には猛烈な悪臭が漂い健康被害が広がって、矢田市長のもとに住民から「市長への手紙」で直接、訴えが届けられましたが、これらの「市長への手紙」は、市長が目を通すことなく返事が出されています。悪臭のため体調を崩し入院した小学3年生の少女が「市長さん助けてください」という率直で緊急な訴えが書かれた「市長への手紙」は、きわめて事務的に処理されていたのです。「市長への手紙」とされているのに、市長が始めてこれらの手紙を読んだのは、私たち共産党議員団の段野議員が本会議で指摘したその後、初めての手紙が届いてから約4週間後でした。「私は一度も市長さんから返事をもらっていません。返事をくれないなんてひどいです。」「市長さんがみんなから手紙を書いておくってほしいといっているのに、みんなの手紙を本当に読んでいるのですか。」このような少女の訴えに対し、危機感を持って機敏に対応していたなら、市民が不信感をつのらせるようなことはありませんでした。また、健康被害を食い止めることも可能だったはずです。市民参画を象徴する事業である「市長への手紙」にこのような対応では、市民の市政への参画を大切にしているとはいえません。 以上、日本共産党議員団を代表して、決算を認定できない理由を述べ、討論といたします。 |