金沢議員の神戸市政治倫理綱領についての質疑
私は、日本共産党議員団を代表して、議員提出第73号議案「政治倫理の確立に関する決議の件」について、数点質疑いたします。 まず、なぜ条例ではなく綱領として提案されているのかをお聞きします。 提案されている、決議・綱領は、法的に何の拘束力もなく、言わば理念を列挙したものにすぎません。今回、神戸市政始まって以来の汚職事件が起こり、疑惑といわれるものも多数出てくる中で、真の再発防止策をとらなければならないというのは皆さん一致した意見だと思います。それならば、決議をして綱領をつくるぐらいでは足りないと思います。きちんと条例化を行い、規定に違反する疑いがあれば審査会に図る、市民からも審査が請求できる仕組みなどをつくるのが本筋ではないでしょうか?伺います。 次に綱領の内容について数点伺います。 まず、綱領の第1条の趣旨についてです。この趣旨には「議員と市長の責務をあきらかにする」となっており、この綱領を守るのは議員と市長だけになっています。しかし、今回の汚職事件では、市長のみならず助役らも事情聴取を受け家宅捜索も受けています。市政の最高幹部である助役、収入役及び教育長まで含めるべきと考えますがいかがでしょうか? 次に第3条の政治倫理基準について伺います。第3条3項には「政治的道義的な批判を受けるおそれのある寄付を受けないこと」となっていますが、それだけでは足りません。今回の汚職事件で捕まった村岡両氏は、もちろん賄賂を受け取っていたわけですが、同時に多額の政治資金も受け取っています。つまり、政治献金自体が市政を歪める事につながるのです。「公正で高潔な職務執行に努め、市民の信頼を回復する」というのなら、法人その他の団体から献金を受け取らないことを決めるべきではありませんか?そうしてこそ真に公正で清潔な市政が実現できると考えますがいかがでしょうか? また、同じく第3条1項に「その職務に関して不正の疑惑をもたれるおそれのある行為をしないこと」とありますが「不正の疑惑」とはどういうことを言うのでしょうか?今回政治倫理確立委員会では、汚職事件の論議とともに、「疑惑」についても論議しましたが、これを自民党の委員の方たち中心に「事件ではないから、これ以上論議する必要はない」と言い、疑惑を残したまま議論を打ち切ってしまいました。今回政治倫理確立委員会で論議した「疑惑問題」のうち、どのような案件がこの綱領の「不正の疑惑」にあたるのか具体的にご説明ください。 最後に、第4条「措置等」について伺います。第4条1項では「綱領に反すると認める行為に対し、市政の名誉と品位を守るため、必要と認める措置を講じるものとする」となっていますが、これでは再発防止の担保措置とはなりません。 政治倫理審査会の設置、市民からの調査請求を保障すること、市長等および議員の協力を義務付けること、また必要ならば市民説明会を開催することなど、しっかりと再発防止策を担保することが必要ではないでしょうか? この度提案されている綱領が、実質的に機能するものでなく、単に理念的なものであってはならないと我々は考え「神戸市政治倫理に関する条例」の提案をおこなっております。そういう観点から質疑をおこなっておりますので、簡明なご答弁をお願いして、私の質問といたします。 (提案者の答弁) ■前島浩一議員(民主党)■ ただいまご質問のありました点について,ご答弁させていただきたいと存じます。 まず最初に,なぜ条例でなく綱領なのかと,こういう点についてでございます。 法的拘束力という問題でありますが,綱領でも当然内部規律として遵守義務が発生するわけでございまして,そのことをもって条例でなければならないということにはならないと私どもは考えております。 政治倫理の基本は個々の議員の政治姿勢あるいは心の規律である倫理の問題であろう,このように思います。 したがいまして,法的な権利・義務を規定する条例にはなじまないというふうに思っております。さらに,条例で規定しなければならないとする法令上の理由もございません。 以上のことから,市会といたしましては事件の再発防止,政治倫理の確立についての決意をあらわすとともに,条例ではなく綱領を含む決議が適正であるというふうに考えております。 次に,綱領の中には助役・収入役あるいは教育長が入っていないが,必要ではないかという趣旨のご質問でございます。 今回の収賄事件で市政の信頼を損なうに至ったことを踏まえ,何よりもまず政治家みずからのあるべき姿を示すことが第一であるということから,広く市民の直接選挙によって選ばれた公職者のあるべき姿を示そうというものであり,市民の直接選挙で選ばれておらず,自治法上も一般の職員と同じ補助機関である助役・収入役を今回の規範の対象とする必要性はないというふうに判断しております。 助役・収入役につきましては,市長が任命権を持っておりまして,また教育長は教育委員会が任命権を持っているというふうに思います。仮に助役等に倫理違反があれば,それぞれの任命権を持っている者にゆだねることが法律的に適切であるというふうに考えております。 それから,第3条3項のいわゆる政治的また道義的な批判を受けるおそれのある寄附を受けないことというのは不十分ではないかと,法人その他の団体から寄附を受け取らないようにすべきではないかと,こういうご質問でございますが,ご承知のとおり首長や議員個人に対する企業・団体献金は政治資金規正法で禁じられております。これに上乗せをして議員及び市長は政治的または道義的批判を受けるおそれのある寄附を受けないことを定めるというふうなものでございまして,不十分とは考えておりません。 また,その3条の1項の職務に関して不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこととはどういう行為に当たるのかと,こういうご質問でございますが,政治倫理基準は遵守すべき政治倫理について定めたものでありまして,公選法等の公職者に対して適用される法令の遵守を大原則として,それらに抵触すると疑われるような行為をしないことを規定したものでございます。表現としては共産党の条例案第6条第1号のイと同様というふうに考えております。 条例で規定する場合には,具体的な規定とすべきかもしれませんが,綱領では,疑惑を持たれること自体,市民の信頼を損なうことにつながるので,住民の不信を買うような公私混同を戒めたものであるというふうにご理解をいただきたいと存じます。 そして最後に,第4条の措置の件についてですが,再発防止の担保措置がないが,どうするのかと,こういう点でございますが,担保措置としては,起こり得る事案はさまざまなことが想定されるため,事案の内容や状況に応じ,臨機応変に適宜適切な対応がとれるよう,市会は必要と認める措置を講じるものというふうにいたしております。 以上で答弁を終わらせていただきます。
(再質問) ■金沢はるみ議員■ そしたら,再質問をさせていただきます。 今ご答弁がございましたけれども,まず私の1つ目の質問で,なぜ条例にしなかったかという点でございますけれども,心の規律である,そして条例にはなじまないというご答弁がございますけれども,各都市でも条例として制定をしているという状況がございますし,やはり法令を遵守するという立場から言いますと,綱領ではなく,きちっと条例にして定めるということが何よりも大切であるというふうに思っております。この点については指摘をさせていただきます。 それから,私が一番お伺いをしたかったところは,不正の疑惑はどういうものであるかということですけれども,疑惑を持たれるようなことをすること自身が問題であるというふうな認識を,提案者の方々もお持ちであるというふうに思います。 そこで,再質問をさせていただきますけれども,このたびの政治倫理確立委員会の中でさまざまなご議論がございました。 その中で6月30日の政治倫理確立委員会の中ですけれども,平野昌司理事がこう発言をしておられます。火事とけんかは大きいほどおもしろいというようなたとえもあるように,例えば疑惑だ疑惑だと騒ぎ立てて疑惑をつくり出すことは,私はあえてしたらいかんと思うんですよと──途中省きますけれども,現実に金銭の授受であるとか特定の人に非常に利便を与えるとか,いわゆる法律違反とかいうのが明確に出ていないと──恐らくコンペについてはもう全部終わっていると思うんですよね,それを前提にまだこれをあおり立てて言うのはどうかなと,こういうふうに発言をされております。 同じく平野昌司理事ですけれども,8月28日も,疑惑疑惑と言われるようにおっしゃる方がおられれば,それは皆さん,それを自分なりに証拠を持って検察庁なり警察なりに告発されたらいかがでしょうかと──これは前にも申し上げたと思いますが,そのように申し上げたいと思いますと,このように疑惑というのは問題じゃないんだというふうに,ここの政治倫理確立委員会の中で言われているんです。 それで,結局この疑惑の問題については最後まできちんと当局を呼ぶとか,参考人を招致するとかいうことがなされないまま終わらせていらっしゃるんですね。特に与党の皆さん方中心に幕引きを図られたと,私たちは感じていますけれども,こういったことがまたこの綱領をつくったとしても起こってしまうのではないか,疑惑は事件じゃないから,いいんだよと──いいんだよとまでは言いませんけれども,それを一々持ち出すのはいかがなものかと,こういうふうに言われているわけですね。皆さん提案者の方々の中からこういうふうに言われているんですけれども,こういったことでは何ら解決は図られないと思うんですけれども,この点についてのみ再質問をさせていただきます。
(再答弁) ■前島議員■ 今のお話ですが,委員会における1つのやりとりといいますか──でのお話を例に挙げられて申されたわけでございますが,私どもといたしましては,あくまでも当然の,先ほども申し上げましたように,市民から見て信頼を損なうおそれのあるような,そういう公私混同を含めたことについては戒めていこう,こういうことでありまして,委員会における議論のやりとりで,お互いに感情的な面も含めてやりとりがあったという点はあるかもしれませんが,基本といたしましては,あくまでも職務の責任に関して不正の疑惑を持たれるようなことについては,一切それについては我々はしないということを,住民に対して決議・綱領を通じて宣言していこう,こういうことでございますので,そういう理解をしていただきたいというふうに思います。
■金沢議員■ もう1回再質問をさせていただきますけれども,それでは不正の疑惑のようなことがもし起こった場合には,第4条で必要と認める措置を講じるものとしてありますけれども,具体的にこの場合の措置とはどういうことでしょうか。
■前島議員■ それはその都度──先ほど来申し上げましたが,その都度その必要に応じて内容を審査した上で措置を決めていくということでございますので,それはその都度に判断をさせていただくということになろうかと思います。 |