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2006年12月22日

「神戸市政治倫理条例」の提案説明

西下議員が条例提案

 私は,日本共産党議員団を代表して,ただいま議題となりました議員提出第72号議案神戸市政治倫理に関する条例について,提案説明を行います。
 福島県,和歌山県,宮崎県と,相次いで知事が汚職事件で逮捕されるなど,異常事態が続いています。一連の汚職事件に共通しているのが,選挙で自民・民主・公明党などの応援を受けて,首長と与党の持ちつ持たれつの関係ができていることです。今,地方政治での汚職・腐敗をなくすために政治倫理条例を制定する自治体がふえています。
 さて,神戸市でも残念ながら市民の期待を裏切る汚職事件が起きました。元自民党市会議員団長の村岡被告とその長男──龍男被告らによる今回の汚職事件に対して,市民から厳しい批判の声が上がるとともに,神戸市政に対する不信が広がっています。
 この事件も,市長選挙で矢田市長が自民党・民主党・公明党などの応援を受けたことが背景にあると言わざるを得ないのであります。神戸空港ターミナルビルの増築をめぐって自・公・民の3団長が圧力をかけ,市長がこれに屈服した例を見ても明らかであります。
 事件の真相解明と信頼回復を目的に設置された市議会政治倫理確立委員会は,自民・民主・公明党の与党が数を頼りに, 100条調査権の発動をはじめ必要な調査もせず,市民の信頼を回復することもないまま,特別委員会の廃止を強行しようとしています。
 こうした与党の態度は神戸市民の期待を裏切り,市政と市議会に対する不信を一層広げることになるもので,絶対に許されない態度だということを申し上げておきます。
 さて,さきに述べましたように全国各地で政治倫理条例の制定が続いています。神戸市でも今回の汚職事件を真摯に反省するならば,再発防止のための有効な手だてを講じるのは当然のことであります。私たちが政治倫理条例を提案する最大の理由はここにあります。
 与党議員が提案している決議・綱領などは議員の申し合わせ事項にすぎないもので,法的な拘束力は全くありません。これに対して我々が提案している政治倫理条例案は単なる申し合わせ事項ではありません。法的拘束力のある条例として定め,守るべき政治倫理規範も可能な限り具体的に明らかにしています。
 では,提案している条例案の特徴について述べます。
 第1条の目的では,主権者である市民の厳粛な信託にこたえ,清潔で民主的な市政,市議会として発展することに寄与することなどを明らかにしています。
 対象は,市長・議員に加え,助役・収入役及び教育長も対象としました。これは市長・議員はもちろん助役・収入役は市政全般に大きな影響力を持っているからです。また,教育長は教育行政の責任者として教育行政に大きな影響力を行使する立場にあることから対象としました。今回の一連の汚職事件・疑惑にかかわって助役室も家宅捜索を受けており,当然対象とすべきと考えます。
 市長等の責務については,地方自治法が地方自治体の役割として規定している市民の福祉の増進を図ることを目的として,事務事業を執行することを改めて明記しました。また,議員の責務としては,議員の基本的な役割である市政に対するチェックという点を明記しました。
 守るべき政治倫理基準についても,第6条で明らかにしておりますが,そのうち特徴的な項目について説明いたします。
 市長や議員には企業・団体からの政治献金を受け取らないよう求めています。このことは今回村岡親子が,わいろを受け取っていた業者から政治献金も受け取っていたという事実があります。企業・団体からの政治献金が汚職・腐敗の温床となっているため,市長・議員には受け取らないよう求めています。
 また,市長等及び議員が関与する企業について,市の請負契約等から辞退,指定管理者の指定も受けないよう求めています。
 さらに,汚職などの疑いがあるとき,そのことについて調査・審査するために,第9条で神戸市政治倫理審査会を設置するとしています。この審査会には学識経験者だけでなく公募で市民も加わることとしております。
 また,第11条で,市民に審査請求権を保障していることも本条例の大きな特徴です。条例に規定する政治倫理規範に反する疑いがある場合,市民が必要な資料を添えて説明会の開催を求める権利などを保障しています。
 また,有権者50分の1以上の署名と定数3分の1の議員の連署があれば,説明会の開催を義務づけています。同時に疑惑の対象とされた市長等及び議員に対して,説明責任など協力義務も課しています。
 こうした市民の調査請求権などを保障した理由は,今回の汚職事件の審議経過からも不可欠だと考えました。
 資源リサイクルセンターの運営方法の変更については,神戸市当局が,福祉工場方式のままでいけば予算が否決されるかもしれないという懸念を持ち,市長が最終的に2分割方式ということを決断したとする当局資料が存在します。
 しかし,矢田市長は一貫してこの事実から目をそらし,まともに答弁しておりません。私たちが提案している条例が成立すれば,今回のような場合,第13条に基づき市長みずから市民説明会に出席して,その経過について説明する責任を負うことになります。
 また,平野章三議員についても,事件発覚後の記者会見とみずからの後援会員にあてたおわび文書では,一連の質問はみずからの判断でした,事件とは無関係だとしています。ところが,10月20日の公判で明らかにされた検察調書では 180度違います。
 調書では,自民党市会議員団の団長であった村岡 功先生の指示を受けてのことに間違いありません。共同記者会見を受けた際,真実でないことを話してしまいました。この記者会見で村岡 功先生から指示を受けて質問したと話すことができなかった理由は,村岡 功先生の不利になること,党幹部役員に事件に関与していると見られること,私も村岡 功先生と同様に逮捕されるのではないかという不安があったこと,私のこれまでの議員歴に汚点を残し,来年行われる市会議員選挙に悪影響が出るのではないかと考えたことなどでした。当初から真実をお話しすることができなかったことに対し,まことに申しわけなく反省しております。今後は今回の事件に関し,どのような場合においても真実をお話しすることを誓いますとされているのです。
 平野議員の判断なのか,それとも村岡被告の指示を受けたものなのか, 180度違うわけで,これらについて平野議員から事情を聞くべきだとする日本共産党議員団などの提案にも与党は応じませんでした。さらに,コンペ問題では他の議員の名前も取りざたされました。
 こうした疑惑も自民・民主・公明各党によって審議そのものが中断させられたため,真相は解明されていません。市民の願いに背を向けた与党会派の責任は重大であります。
 私たちが提案している条例では,市民が平野章三議員に,どちらが本当なのか説明を求めることができるようになっています。
 さらに,12月8日の公判では,村岡被告側が平野章三議員と贈賄業者であるセーフティーアイランド社の北尾元社長とのつながりが深いことを明らかにしています。こうしたことも,市民は平野議員に説明を求めることができるのです。
 また,コンペ問題でも市民は審査会に調査を求め,また名前が取りざたされた議員に対して説明会を求めることができるのです。市民にこうした調査請求権を付与することで汚職・腐敗事件を防ぐ効果があると考えます。
 今,市民は,神戸市議会が今回の汚職事件に対してどういう態度をとるのか,さらに再発防止のためにはどういう対策をとるのか,注目しています。あいまいな決議や綱領などでなく,法的拘束力のある条例を制定し,市民とともに汚職事件の再発防止に取り組む姿勢を明確にすべきであります。
 各議員は,こうした点を真摯にご検討いただき,私たちが提案している政治倫理条例案にご賛同いただきますよう重ねてお願いして,私の提案説明といたします。

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