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2008年03月04日

山本議員の保健福祉局病院事業の質疑

山本じゅんじ議員
1.1点目に看護師の労働環境についてお聞きします。

 医師不足とともに看護師不足も、社会的に大きな問題となっています。
看護師不足を解消することは、市民病院として、安全で行き届いた医療サービスを提供する上で緊急の課題であります。一方、医療現場で働く看護師は、大変過酷な労働にさらされています。2006年1月に発表された日本医療労働組合連合会の調査によりますと、健康不安を感じる看護師は6割を超え、8割近くが慢性疲労や燃え尽き感から退職者が相次いでいるとのことであります。まさに過酷な労働が、看護師不足に拍車をかける事態ともなっています。
 さて、市民病院はどうでしょうか。現在、7:1看護の体制にはなってはいるものの、労働の過酷さは以前と変わらないほどの状態だと聞いております。お聞きしますと、病棟は混合病棟が増え、患者も重症化の傾向にあるとのことです。ある病棟では、常に身の回りの介助や観察が必要な重症患者と、指導や教育の必要な患者とが一緒になっているとのことです。この病棟に限らず、全体として患者の重症化がすすんでいることや混合病棟がふえていることなど考えますと、このような状態では、特に夜間の時間帯では、看護師が満足に休憩すら取れないばかりか、十分なケアができないというのが実態ではないでしょうか。
 市民病院の医療サービスは、まさに看護師の犠牲的ともいえる労働によって支えられているともいえます。今後、看護師の労働条件や職場環境を整備していくことは、安全で行き届いた看護を安定的に提供することや、看護師の離職の防止、また看護師の増員にも不可欠であると考えます。
 市民病院で働く看護師の労働条件をどう改善していくのか、まずお聞きします。

2.次に市民病院群の独立行政法人化についてうかがいます。

 平成21年度より、市民病院群として独立行政法人化しようとしています。
そもそも、独立行政法人とは「採算性に乏しく民間に委ねては実施されない恐れがあるものを自治体から切り離し」(同法第2条)別組織(独立行政法人)化して運営されるものであります。これまでに私どもの会派は、独立行政法人化の問題点として、経営面での「独立」性が強調され、公としての責任よりも効率が優先され運営費や人件費の切り下げがしやすくなることや、看護職員などスタッフの労働環境の悪化による患者サービスの低下がおこるのではないかということなど指摘してまいりました。
 すでに独立行政法人として運営がはじまっている大阪の府立病院は、特定地方独立行政法人という公務員型の運営形態であります。それでも、お聞きしたところでは、スタッフの労働環境の悪化によるチームワークの乱れや、技術を身につけたベテラン職員の退職が相次ぐなどの事態がすすんでおり、スタッフの確保に苦慮しているとのことであります。 先の代表質問の答弁で副市長は、「医療サービスの低下にはならない」「給与支給について業務実績と社会に適合したものに定めなければならない」などとと述べています。また雇用については「一定期間必要な職員を雇用する期限付き採用」もできると神戸市立医療センターの運営形態の基本的な方向性」のなかで触れられています。法律の定めはありますが、先行事例では、独法化が人件費の切り下げにつながっているというところもあります。このような状況から考えますと、非公務員型で運営しようという神戸市の提案は、看護労働をはじめとした医療スタッフの労働環境のいっそうの悪化や不安定雇用の増大につながるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 また、独立行政法人化によって、はたして十分な患者サービスが提供できるといえるのでしょうか、お聞きします。

3.最後に中央市民病院のPFI事業についてお聞きします。

 これまでに私どもの会派は、中央市民病院の移転問題とともに、PFI事業について問題点を指摘してきました。いま、新聞等でも報道されておりますように、全国的にも病院のPFI事業は、その是非が問われるほどの事態となっています。
 たとえば近江八幡市では、「近江八幡市立総合医療センターのあり方に関する提言」が先頃出されています。その「提言」では、「全国の自治体の病院のPFI計画に対して警鐘を鳴らすことになったのではないか」として、「一連の行政上の失敗点を自らの問題点としてとらえ、再度PFIの導入の適否を十分に検討されることを委員一同望んでいる」と結ばれています。
 これまでの質疑では、各地のPFI事業で起こっている問題に対して当局は「それ固有の問題でありPFI自体が問題となっているわけではない」という対応でした。
全国的にもさまざま問題が起きているわけですから、神戸市の中央市民病院のPFI事業は大丈夫なのか、あらためて検討してみる必要があるのではないかと思います。しかし、これまでのところ、PFI事業に対して、落札業者が具体的どんな考えを持ちどんな提案など行っているのか、神戸市は一切あきらかにしていません。「固有の問題」「PFI自体に問題はない」といいますが、市民的にもその是非を検討することができるよう資料を明らかにしていくべきと思いますがいかがでしょうか。

 また、いま全国的には、病院のPFI事業を見直そうというあらたな動きもうまれています。たとえば香川県の病院では、PFIを導入するメリットがないとPFIでの事業化を断念したと聞き及んでいます。もはや、病院のPFI事業は破綻状態にあります。中央市民病院へのPFI事業の導入はやめるべきだと思いますが、いかがでしょうか。


桜井保健福祉局長 PFl事業について、たしかに近江八幡市については昨年12月、検討会設置されて、議論あったと聞いている。1月に提言公表されている。厳しい経営状況での問題点掲げられている。経営の逼迫については、大きな要因はPFIだけでなく、近年の診療報酬の改定が一番大きい。PFIそのものが悪いと考えていない。PFIをどれだけうまく使うかだ。個別案件ごとに活用運用されるということで、たとえば、資金までPFIにまかせて、とか、資金繰り自体はこちらで用意するとかだ。近江八幡市の場合は、資金まで調達している。一概にPFIが問題ではない。逆に、PFIのメリット・デメリットを様々な角度から検証して、その中でPFI事業者の公募を行い、決定させていただいた。今回の議員の意見は参考にはさせていただく。現在のPFIの中で、指摘されているものと我々のやり方とは違うという認識を持っているので、話し合いすすめてまいりたい。

雪村参与 独立行政法人化について、運営費、人件費切り下げるのではということだが、運営費だが、神戸市の市民病院が予定している公営企業型の地方独立行政法人においては、原則として、独立採算制が求められているが、材料費や経費のコスト削減しながら効率的な病院経営が必要だ。公営企業型の地方独立行政法人では救急医療等、本来地方公共団体の一般行政事務として執行されるべき行政的医療や、高度・特殊医療とか不採算的医療に対しては現在と同様に市から運営費負担金を交付されることになっているので、法人化で医療サービスの低下にはならない。
 大阪の場合は、看護師の退職が相次いだとのことだが、新制度、見直しを行うには、先行都市が気になるが、聞くなりその都度調査している。看護師の退職について、大阪は、毎年多くの看護師が結婚、退職、育児などしている。大阪においては、早期退職にあたって退職金の優遇措置があったので、その年は多かった。専門看護師とか、実践能力高めるため充実するため確保して定着につとめていると聞いている。柔軟な給与制度、やれば報われるという制度の構築を目指す。現在条例で定められている、職員定数、勤務時間を、法人独自で決定できるようになる。土曜日の検査が柔軟に行われたりとか、平日並みに休日に手術できたりと、患者が治療を受けやすいように弾力的にやっている。医療サービス、患者サービスが落ちるのではなく、より一層の向上に努めたい。

宮田部長 労働環境の改善について、看護師の勤務実態は年々厳しい。その背景で、市民病院に求められる役割大きい。入院される患者の重症化、急性期化が進んでいる。専門的な患者が増えていると考えられる。こういう状況で一人一人のケアが大切になっているため、看護師の肉体的な負担などが増えている。看護師の勤務実態緩和には、十分な賃金や人数の確保が必要だ。H18年度の診療報酬改正で従来の基準より手厚い7対1になっている。H18年8月から西市民病院で、H19年3月から中央市民病院でも7対1の看護体制になっている。入院されている患者にとっても手厚い看護を提供することができ、看護師ひとりあたりの負担軽減にもある程度つながっている。
 看護師不足と言われている中で、H20年度、当初の予定人員を上回って確保できた。通年通して維持していくことが大事だ。予算にも取り入れている。今後の看護師確保対策として、予算で神戸市看護大学学生を対象にした修学資金貸付制度をやっていきたい。看護師については、子育ての一つの大きな転換期、妊娠、出産でも、また妊娠直後でも、退職せずに続けられるように、院内保育所の時間延長や妊娠直後からの夜勤免除とかしていきたい。また、重症な入院患者家族への対応は、看護師も精神的に重い負担になってくるので、日本看護協会の精神看護専門の専門看護師のリエゾンナースとしての配置等で、患者のケアだけでなく同僚看護師からの相談にも対応している。看護師の負担軽減を図っており、今後とも労働条件の改善に向けて努力したい。

桜井局長 PFI事業の資料の件だが、事業者の方の様々なノウハウや、企業秘密ある。我々の方は要求水準書を出しているので、それを満たしているかどうかだ。神戸市がPFIに一体何を求めているか、よそのPFIと比べてどこが違うか分かっていただけるのではないか。

山本議員 PFIの資料の請求についてだが、PFIは全国各地で問題点があるかを市民的に検証する必要ある。先程、PFI自体に起因するものでないという答弁あったが、何を持って大丈夫だと言えるのか、根拠が見えてこない。これまでヒアリングさせてもらった中で、意思形成の中にあるものは答えられないと言われた。色々破綻しているということもあるので、市民的な議論を大いに広げていく必要ある。本会議でも言ったが、公立病院ガイドライン、携われた方が神戸で発言している。独立法人化推進方向の方だが、神戸の中央市民病院に限っては、こんなことを言っている。「計画中のものでは、特に神戸市が進めているPFI事業について『深刻な反省が必要』」こう指摘している。つまりどういう立場で批判されているか中身は解らないが、専門的な方からこういう指摘もあるわけだから、何か問題があるのでは。こういう状況の中での指摘あるので再検討とはならないか。PFI事業の契約についても、「締結しました」しか出していない。もう一度聞くが、もっと必要な資料を市民に公開していく必要あると思うが、どうか。
 看護師の問題だが、ホームページに病棟の配置が載っていたが、脳神経科や内分泌系などの混合病棟になっている。私もつっこんだところまで解りかねるが、素人ながらにも解る。皆さんの方がよくお分かりかと思うが、脳神経外科ではかなりケアに時間がかかる。急性期の患者も多い。常に観察や介助が必要だ。時には2、3人の人手が必要と聞いている。スタッフ少なくなる時間帯、夜間はもっと人手が足りない。より重症になると、寝たきりになり、一人ひとりにケアをしていく時間が少なくなってくる。看護師の休憩時間もまともにとれない。患者一人一人のケアが手薄になっているという悪循環が生まれている。中央市民病院の整形外科がなくなったので、他の病棟で受け入れていると聞くが、ケアに人手がかかり大変だと聞く。日常に看護に携わっているということで、より高度・複雑になり、過密で休むヒマも余裕もない過酷なものになっていると思う。事故の危険性が増す。小児救急も含め、中央市民病院の役割より重要。看護師の労働環境を大幅に改善させ、安全で行き届いた看護や患者サービスを提供するためにも、看護師の増員が必要ではないか。
 独立法人化に絡めて聞きたいが、事前に看護師の在職者資料をもらったが、在職者の年齢構成を見ると、中央市民・西市民病院でだいたい20から30代が8割前後という状況だ。平均年齢32歳前後だということで、若い労働力に支えられている。ただ、平均在職年数は10年未満だ。若い方の退職、1月末で40人いる。理由いろいろあるが、10年未満と考えると、仕事を長く続けられないという背景がある。看護協会の調査だったが、短いと労働環境悪い。技術が継承されていかないのではないか。スタッフから提供されるサービス悪くなる。メンタルな部分も大きな役割だ。独法化に進もうとしているが、賃下げのプレッシャーとかが問題になってくる。質的な患者サービスの低下になる。スタッフ確保に支障きたさないのか。

桜井局長 PFI事業で、神戸市が危険だと指摘されているが、審査委員会というものの中で専門家集団で審査をさせてもらった。指摘の件についても、詳細に聞かないことには答えにくいものもある。PFIそのものについては、それぞれやり方が少しずつ違う。近江八幡市はどこまで財政悪化したのか、しっかり議論した方がいいのでは。我々のしていくPFIについては、落札者の決定、審査基準や審査の内容、評価については市民に公表している。つっこんだ中身は企業のノウハウがあるので、情報公開していただいた中で、どこを公表するか判断したい。ご理解を。

雪村参与 看護師の件だが、いろんな就職する方の考え方がある。若いうちはここで働いてスキル得た上で、転職という考え方の人もいる。いずれにせよ市民病院として、技術的にも働きやすい職場にしていくよう努めていく。独法化だといい面もある。7対1の看護体制というのもあり、欠員あるとすぐに対応したいが、削減する枠がかけていたとか、すぐに採用に踏み切れなかったのが地方独立行政法人化で柔軟、迅速に対応できるようになる。そういった面は看護師の働き方にもつながる。環境作りやっていきたい。

宮田部長 当然看護師の勤務実態、厳しいのは事実だ。7対1で取り組んでいる。いかに人を配置するか、病院の経営面も含めて、かねあいの中で考えていかなければならない。診療報酬制度の中で、認められている一番点数が高く、一番手厚い看護体制を充足するのが第一だ。整形外科だが、救急、外来で当然やっている。一部を西市民に移転しただけだ。

山本議員 やっぱり納得がいかない答弁だ。PFIの資料を情報公開したが、ほとんど必要な部分は真っ白だ。何が提案されているのか全く分からない。疑問だ。三次救急になっている大事な市民病院が独法という運営形態で、さらにPFIになる。市民に分からない病院になっていくのは不安だ。市民病院を守る体制を神戸市が責任持ってやってほしい。まわりに百床レベルの病院設置させるのは、医師会からも反対の声出ている。あまりにも拙速な判断だ。もっと必要な情報の提供をしていただいて、市民的にももっと議論広げて、手を貸していただきたい。
 看護師の件、手厚くなったと言うが、ほんとにケアが必要な患者に必要なケアが出来ないと聞いている。手厚い看護が出来る体制を取っていただきたいと最後に申し上げておく。

※答弁は事務局のメモによるものです。

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