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2008年03月03日

段野議員の企画調整局審査質疑

段野議員 まず神戸2010ビジョンの検証・評価に関して伺います。検証・評価の報告書を見ました。ほんとうは、結果だけでなく検証過程を知りたくて作業部会の資料を求めたのですが、残念ながらいただけませんでした。仕方がありませんので、この報告書を下に質疑いたします。この検証・評価は、「施策評価」と「達成度評価」という二つの物差しで検証されたものであります。「達成度評価」に示された結果を見ると、チャレンジ目標の50%に届かない項目が、76項目のうち47項目(61%)にのぼっています。検証・評価は多方面にわたっており、全体を質疑するわけにいきませんので、「豊かさ創造都市こうべ」全体的な指標として示されている「ひとりあたりの市民所得」に関する項目に焦点を当ててお尋ねします。「ひとりあたりの市民所得」は、「都市活力を全体的に示す指標」であり市民のくらしの実態を示す重要な指標であります。
また、矢田市長が公約で10%引き上げると約束したもので、市民が最も期待した施策であります。ところが、結果をみますと、目標として掲げた「政令都市中「中位」」にはほど遠く、12都市中10位です。「調査資料」134号に掲載されている指定都市比較一覧を見ても、政令17都市のなかで、北九州、札幌市に次いで低く、ビリから3番目であります。この間、市民所得を政令市のなかで中位に引き上げるために、具体的にどのような努力をしたのか明らかにしていただきたい。また、この結果に示されているように、市民生活の実態がいっこうに改善されていない。生活水準が上がっていない実態が、自ら実施した検証の結果で示されているのに、なぜ、平均10%もの公共料金値上げを提案するのか?市民の目線からでは全く理解できない。検証・評価は何のために行ったのか。
 医療産業都市構想に関して、医療産業都市構想が提起されて以来、この構想に対して、国費を含めて総額1080億円にのぼる投資が行われています。来年度予算で、さらに93億円余の新たな投資が提案されており、あわせると1181億円をこえることになります。勿論この中には国費等も含まれていますが、この巨額の投資によって、これまで先端医療センターや理化学研究所、KIBC、TRIなど数多くの施設が建設され運営されている。この構想は、その名の通り「産業構想」でありますが、莫大な投資によってどんな投資効果があり、市民や自治体にどのような効果をもたらしているのか、極めて不透明でわかりにくい。先日の行財政局審査のなかでも質疑したところだが、医療産業構想に対する投資効果の指標、「ベクテル社」報告の指標にもとずく到達点のなかで、すべて詳細にとは言わないが、この間の税の涵養については年次毎に市民に公表すべきと考えるがどうか。
 医療産業都市に係る企業誘致の現状は、目標値とされる200社(2010までの目標)に対して現状は117社。様々なインセンテイブ策を講じてなお、やっと目標の6割程度、しかもこの内、土地を購入しての企業進出はわずか9社、売却面積は合計3.1fにすぎません。PI2期の土地も空港用地同様、土地売却が進んでいないのであります。たとえ企業進出があっても、ほとんどの企業が定期借地や賃貸というのは、おそらくこれからも続くと思われます。土地売却が進まないままでも、財政的な破綻や困難はきたさないのかどうか。
 ウオーターフロント計画についてお聞きします。この計画は以前から何度も議会で取り上げられ議論されてきたものですが、率直に言って成功しているとはいえません。このたびのウオーターフロント計画は「都心とのネットワーク整備による回遊性の向上」が主眼とされていますが、ここに巨額の資本を投下して観光対策として整備する。これで回遊性が向上するかどうか私は疑問を持っています。東灘から須磨、垂水に至る長い水際線は神戸の誇るべき自然環境であります。そしてこの海辺との関わりが、こうべ市民を育ててきたと思っています。ところが、いつのまにか、ここに市民が寄りつかなくなった。なぜそうなってしまったのか?市民が近寄りもしないところに観光客が来るわけがありません。まず神戸市民が何度も行ってみたいと思えるような場にすること、そして東からでも西からでも、気軽に短時間でいけるようなアクセスを真剣に考えるべきであります。地下鉄海岸線の開通時に栄町線の市バス路線を廃止したことが、海辺に向かう人の流れを遮断し、元町商店街との人の流れも激減させたのは周知の事実です。この苦い教訓から学び、商店街とのつながりも検討すべきと考えます。現在、市バス90系統がメリケンパークと元町・三宮をつないでいますが、この路線をハーバーランド、神戸駅、湊川などにつなぎ、文字通り回遊性を持たせるよう交通局と協議していただきたいのですがいかがでしょうか。
 次に「神戸デザイン都市構想」に関して伺います。これまで神戸市は、様々な都市構想を公表してきました。たとえば、「アーバンリゾート都市」「コンパクトタウン構想」「ファッション都市構想」等であります。これらの構想のなかには、広く市民の間に普及することなく、話題にもならないまま消えてしまっているものもあります。今回、また「神戸デザイン都市構想」が提案され、「くらしを豊かにするデザイン」や「経済を活性化するデザイン」など5つの視点にまとめて提示されました。この構想では「まち」や「くらし」「ものづくり」という3つのデザインを基本方針として取り組むとしています。この構想のなかで、「くらしのデザイン」のひとつとして、「市民の安心安全、健康へのこだわりを応援する」ことで個性にあったライフスタイルをつくる。としています。ところで、2010の検証によりますと、「市民が日常的に文化活動を行っている割合」はH16年度の26.8%からH18年度には18.7%。なんと8ポイントもダウンしています。この市民生活から、暮らしにゆとりがなくなり、生活が厳しくなってきていることがわかります。ところが、新年度予算案には、市民のくらしの全部面で、「受益と負担」の観点から数多くの料金値上げが提起されています。これで市民の生活水準はまた下がることになります。当然行政への不信感はつのります。こんな状況wにして「心の豊かさ」を強調されても市民は関心を示さないのではないでしょうか。私は、当局からいただいた「デザインをまちづくりに活かす研究会」の7回にわたる記録を読ませていただきました。この研究会のなかで、参加者の皆さんがそれぞれの思いを真剣に語っておられます。この熱意を私は決して軽んずるつもりはありません。ただ、その思いと市が提案している政策とのギャップはあまりにも大きいのです。神戸市が考える「くらしを豊にするデザイン」とは、いったいどんなものか、市民は理解に苦しむのではないでしょうか。「敬老パスの有料化」で、当局試案でも15%の高齢者が外出機会を減らすと認めていますが、これは、毎日約2万人の社会参加を減らすことになるわけです。「市民の暮らしの豊かさ」とは明らかに逆行するものとは思いませんか。それでも「構想は構想として」市民の協力は得られると考えているのか?聞きたい。

中村局長 2010ビジョンについて、将来像として、「豊かさ創造都市こうべ」を掲げている。豊かさや創造といったものは、ただ経済的な豊かさを目指すだけでなく、市民一人一人の安全・安心、健康を基本として多様な交流・融合が“神戸らしい豊かさ”を創造する都市を目指すという考えだ。これによって、市民一人一人が真の豊かさ、経済的な豊かさのみならず、豊かさを実感できる神戸を実現したいと考えている。その中で多くのチャレンジ指標を見ながら、進捗具合を評価しながら、PDCAサイクルで進めるものだ。より分かりやすく将来を把握する指標として、「一人あたりの市民所得」と「暮らしの満足度」の2つの指標を掲げている。市民所得については、内容的には雇用者報酬、企業所得、財産所得の3つの合計を全市の人口で割ったものであるが、都市の活力を示すものであり、市民一人一人の所得ではない。平成13年度の数値で12都市中11位だった。これを2010年に向けて中位まで持っていこうと目標を掲げている。平成16年度の値で2,773,000円から約1%減少しているものの、大都市平均の減少率約2%に比べて減りは小さく、結果16年度は10位になった。暮らしの満足度だが、平均値は15年度は3.19から3.5に上げようというものだが、18年度が3.65となっており、その前年度の17年度の3.69に引き続き、2年連続3.5を上回っている。市民が生活をしていくうえでの満足度は、客観的指標では伸びている。このように全体としては上がったとの評価を得ている。
 市民所得向上のためにどんな取り組みしてるのかというが、雇用者報酬、企業所得の源泉となる市内総生産の拡大が重要。経済施策、雇用、幅広い分野で総合的に展開することが必要。2010ビジョンでは、アクションプランを10掲げているが、それらを着実にやっていくことでつながる。経済活性化では、中小企業への活性化プログラム、企業誘致の推進や第二創業の促進、医療産業都市構想の推進、空港活用の観光プロモーション、スパ中の取組みなどなど、懸命にやっていくことが、市民一人当たり所得、神戸の力を引き上げることになると理解している。重要な指標として今後とも目標が達成できるように努力したい。

足立参与 都市ウォーターフロントについて、魅力的なものと回遊性の向上で、市民が港を身近に、心地よい空間として利用されるように検討を進めたい。回遊性の向上では、課題があるが、当然だが、既存施設活用を考えながら、長期的には新たな歩行者動線の確保などを考えている。バスの回遊性については、意見を交通局に伝えたい。

神田参与 医療産業都市だが、構想に関する費用は累計で1180億だ。国は、理化学研究などの研究費だが600億を超えている。国負担が821億、市が28億だ。効果だが、振興財団では、歯槽骨の再生とか再生医療応用に向けた研究が進んでいる。また、最新の機器のPET/CTでがんの検診、民間と共同で開発した高精度放射線治療装置が薬事法承認が出たので、今春から患者への治療がおこなわれる。いっぽう経済効果は、17年度末における経済効果は、推計した409億、税収効果も13億円にのぼると公表した。波及効果は、17年度末決算で、研究費で国880億、市負担は167億だが、ハードとソフト面の効果はあわせて約1400億円と推計されている。活性化に効果があった。市民の方にわかりやすく理解してもらうように、紹介するDVDを作ったので配布もしていきたい。効果が表れるようにしたい。経済効果も示して、市民の理解が得られるようにすすめていく。

長田室長 デザイン都市について、新たな神戸の魅力と活力を創り出し、暮らしの豊かさを創造するため、デザイン都市・神戸の推進に取り組む。市では、ファッション都市、アーバンリゾート都市など特色あるデザイン都市づくりに取り組んできた。社会経済情勢、震災後の復興を遂げる今、都市間競争に負けない、選ばれる都市であり続けるために、幅広く神戸の魅力や神戸らしさを生かす都市づくりに取り組む都市戦略が必要だと考えている。そのためにデザインを掲げ、神戸の魅力を出し、磨きをかけることで想像する。デザインは、さまざまな様相をバランスよく調和させるもの、人を惹きつけ、人を動かす力があると言われている。昨年12月に策定した基本作成も、優しさ、美しさなどの調和を作り出す。人の心を満たし豊かにする力を持っている。基本的方針で、実現に向けて5つのデザインの視点で、1つは暮らし、2に個性と魅力、3つ目に経済活性化、4に想像力、5に心を育む次世代の視点で、という神戸らしさを見つめなおすとしている。まち、くらし、ものづくりの分野で、基本分野にして取り組む。くらし分野では、一つは心の豊かさと心の温かさを求めていう。豊かさについては、デザイン、芸術に取り組む関心、第7回のフルートコンクールの開催、ルーブル美術館の開催、10セクターなどだ。いずれにしても、市民への話もあった。基本的な考え方、方向性を市民に理解してもらう必要があると思っている。3月には、デザイン都市のシンポジウムを14日と17日に開く予定。イラストを使った冊子も近々発行する。市民が多様な感性・価値観で、多様なライフスタイルが、豊かさの確立につながるとみている。共同参画で繰り返し、息長く取り組むことで根付いていくと考えている。

三木医療室長 医療産業都市構想に関して、土地が売れていないというが117社が進出、ポーアイ2期へ決定している。18社が土地に4進出。11社が5.6ヘクタール、賃貸7社が4.9ヘクタール。17年度の新たな分譲制度や神戸空港開港により、土地の取得が加速している。神戸健康科学振興ビジョンで、17年度の進出企業アンケートで、神戸のクラスターの評価項目として、空港への交通アクセスが重要かつ満足度が高いと回答されている。11社のうち、10社が空港開港後に土地取得している。理化学研究所の次世代スパコンで、甲南大学がスポーツ・レクリエーション緑地に、新たなライフサイエンス関連の新学部を設置すると聞いている。ビジョン目標の200社だが、今後新中央市民病院の整備にあわせて高度専門病院群の集積を図るメディカルクラスターの形成支援や、市民の科学的な健康づくり支援など、市民の医療や産業につなげるために、メディカルイノベーションシステムの構築に取り組んでいる。これが実現すると22年に200社、27年に300社という予測も達成される。昨年9月に国が、企業立地促進法を制定して、我々もこれを活用して19年度、20年度に企業立地に取り組んでいる。今後も産業振興局と連携して医療関連企業の誘致に取り組んでいく。

段野議員 2010ビジョンだが、私は今の市民の暮らしの問題について深刻な認識を持っている。先程の局長答弁は、市民所得の2,797,000円からマイナス1%、他都市と比べるとましだというが、市民は他都市と比べて暮らしていない。日本全体が深刻になっている。その中で、市民の生活に一番かかわる公共料金を値上げしている。企画調整局は関係ないというが、平均10%上げるというような乱暴な提案はすべきでない。検証の結果、大変だということになっている。楽になっているという結果なら、市民負担増も理屈はある。しかし苦しくなっているのに、負担を増やすということはとんでもないことだ。再度聞く。
 医療産業だが、土地の分譲は以前よりは進んでいる。全部の処分面積は120ヘクタールだが、17年2月10日現在だが17.3%の売却状況だ。港湾関連用地は1%だ。医療産業関連のほうが売れている、分譲は進んでいる。同時に賃貸が、それにもまして増えている。港湾関連では賃貸が66%だ。都市再開発も28.3%だから、賃貸が増えると、果たしてもつのか。余裕があって土地持っているのではない。土地を売って一般会計に寄与しないといけないのに、そうなっていない。そういう状況だと指摘しておく。
 デザイン都市だが、都市活力の委員会で、函館市を訪問してきた。よそはよく見えるものだろうが、それを差し引いても進んでいる。「観光基本計画の概要」基本理念で観光文化のある街・函館、自慢できるまちづくりということで5つの方針が示されている。自発、自律、自立、自主、自由をあげ、まちの雰囲気づくりを市民と一緒にしていこうとある。まちの負に気づき、生へ発展するための取り組みをと提起している。神戸と非常によく似た町でありながら実績を上げている。市民の協力、信頼を得ている。観光客が定着している都市で、市民が協力することで進んでいる。市民の信頼がデザイン都市でどこまで出るか。市民の生活に負担をかけながら豊かさを求めることは逆行する。心の豊かさ、経済的ではないというが、負担が多い時にさらに負担を押し付けるということで、市民が納得するまちづくりができるのか、協力してもらえるか。行政が市民生活をどう支えるかを具体化すべき。負担をかけてはいけない。
 ウォータフロント、交通局に言うという弁だが、元町商店街は元町の東から入るのと、西から入るのがある。実際に元町商店街の西側からの流れは切れた。元町商店街が苦しんでいる。ハーバーランドやメリケンパークとのつなぎが悪い。西側から人が入る流れを作ることが大事だ。バスを切ったことが回遊性の面で決定的な打撃になっている。これを反省したうえで申し入れるのか。

中村局長 市民所得が相対的にマシやとか、値上げはけしからんと云々いってましたが、ビジョンそのものは12のアクションプランを掲げて全庁的に取り組んでいる。市民のくらし、子どもの安全・安心を守る施策はやっている。「子どもがすこやかに生まれ育つ町」、「高齢者・障害者の地域安心」、「健康まちづくり」など、施策を予算でも組んでいる。一方で公共料金の改正は、負担の適正化を図るという観点からどうしても必要であり、料金改定だけを取り上げるのは適切でない。12のアクションプランを着実に進めて、市民の安心・安全な生活を守ることではないかと考えている。
 デザイン都市についても然り。言われていることはよくわかる。美辞麗句が躍って、市民の足元に関係ないものは駄目だということを言われていると思うが、市民と進めていくということ、きっちり意識しながら当然のことながら進めていく。もちろん経済的な面も考えながら、それの施策をすると同時に、神戸に住んでよかった、誇りが持てるような市民の心、そういう街を一緒に作っていこうというのがデザイン都市の定義だ。

足立参与 バスについては、議員の指摘の通りに、元町の西の衰退、減少はバスの問題と指摘があったことを伝える。長期的な立場で、十分検討していきたい。

段野議員 時間だから終わるが、企画の役割は全市的なコーディネーターだ。研究会でも指摘されているとおり個々の点では優れた点がたくさんあるが、横のつながりが悪いとの指摘もある。市民の生活実感をきちんと受け止めてほしい。経済性は経済性として、というのでは納得してもらえない。私の気持ちからは、市民に負担をかけないようにしてほしい。公共料金の値上げ提案は撤回してほしい。

※答弁は事務局のメモによるものです。

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