西議員の国際文化観光局審査質疑
3月10日予算特別委員会
西議員 まずお聞きしますのは、北神地域への区民センターの設置に関わる件です。 これまでこの地域の住民は、ちょっとした催し物を行うにあたっても、離れた鈴蘭台の区民センターを利用することとなってきました。この移動だけに500円のお金がかかります。こうした経過もあり、住民にとっての区民センターの建設の思いは非常に強いものがあります。このことは、当然、当局もご存じのことでしょう。また、市長自身も市長選挙での公約に「北神地域に区民センターを建設する」ことを掲げられました。 しかし、過去3年間を通して、予算に計上されるのは、調査費だけです。これでは、一度は期待した住民の思いを裏切ることになるのではないでしょうか。 北神地域への区民センターの建設は早急に行うべきであると考えますがいかがでしょうか。 在日外国人子弟及び両親に対する支援体制のあり方について 神戸は、人口153万人に対し、外国人が45000人という高い比率を占め、昨年は開港140周年を迎え、国際都市を標榜する街です。いわゆるニューカマーの児童、帰国子女なども多く、外国人学校には教育費の助成を行うなど教育分野でも一定の役割を果たしてきました。国際文化観光局は、神戸に暮らす在日外国人への対応を大きな施策の柱としています。2003年に神戸市外国人市民会議の1回目に設置され、神戸市地域国際化基本指針もつくられています。 こうした現状の上に立って、最初にお聞きしたいのは、一般校に通う小・中学校の児童・生徒への対応の問題です。ベトナム、ブラジルなど24カ国の児童・生徒221人が、77校に在籍しています。この子どもたちは、故国を離れ、まったく違う学校の授業を、まったく違う言語で教わるわけです。ところが、支援策は、県の多文化共生サポートと市の外国人児童生徒受入校支援ボランティア制度があるだけです。実際に行われているのは、週1・2回、午前中の授業の時にだけサポートが入るだけです。これでは、授業が理解できないのは当然です。その時間以外は、授業を聞いてもわからないわけですから、机にじっと座って時間がたつのを待つなど、苦しんでいます。現に、不登校になってしまった子どもたちが出ているのです。こういった事態を防ぐ手だてが必要です。局として、ひとりひとりの学ぶ権利を保障し、子どもたちの可能性を引き出すために、何が必要かという視点から、生活全般にわたって、児童・生徒が抱えている問題を解決していくために、他局と連携して取り組むんでいただきたいと思います。 県からのサポートが不十分なのですから、神戸市が支援し、生徒が授業を一定理解できるまで、丁寧に対応すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 第二の質問は、大人の問題です。これまで暮らしていた環境が大きく変わって対応できていないのは、大人もたくさんいます。日本語がわからない、日本のルールもわからない、こうしたひとたちと、地域住民との間で、トラブルもうまれています。その典型がゴミ出しの問題です。現在、この問題は、所管の環境局がゴミステーションに多言語の標識をつけるなどの努力をしています。しかし、こうした問題を、担当局だけで個別に対応しようとしても根本的な解決にはなっていません。かれらが、日常生活の中で、不便を感じていること、生活習慣上でのトラブルや悩みなどは、それぞれ丁寧に調査し、解決の努力を図るべきです。 神戸市には多くの外国人が居住していることが、街の持つ魅力となっています。それだけに、異文化との共生という視点から、局として区役所や自治会などとも連携し、在住外国人が地域社会に関わり暮らしていけるため、例えば、各区役所が援助して、外国人と自治会が協議する場を持つなどの施策を考えるべきだと思いますがいかがでしょうか。
2008年は、日本初の移民船である「笠戸丸」が神戸港を出航してから100年目の年となります。当局の今年度の予算には、ブラジル移住100周年記念事業と旧神戸移住センターの再整備で7億5800万が計上され、まさに今年の目玉事業となっています。 先日、私はこの旧移住センターを見に行ってきました。 そこで偶然に移住者の方に出会い当時の状況を詳しくお聞きすることができました。その方は、昭和7年岡山から当時は国立海外移民収容所と言われてこの施設に来られ、10日ほどの滞在の後、神戸港からほぼ2ヶ月の月日をかけてブラジルのサントスにたどり着かれたということでした。親が借金を抱え、自らも軍隊に行くか移民になるかしか選択肢はなかったとの話に当時の切迫した状況を強く感じました。当時、国家プロジェクトであった移住事業は、多くの日本人の運命を大きく変えました。その様子は、このことに材をとった石川達三の「蒼氓」に詳しく記されています。生きる道を失い、全国から集まった貧しい農民たちの様子が記されたこの本は、第一回芥川賞を獲得しています。 お会いしたこの方は、幸運にも現地での事業が成功し、当時のお金で1200万円というお金をもって、昭和33年に日本に帰国されたという意味では非常に恵まれた部類に入るとは思います。しかし、それでもひどい苦労をされて、いまなおこの施設に特別な感情を持っています。87歳になる今でも毎週土曜に当時のパスポートを携え、この施設に来て、寝起きをした4階に上がられて感謝の気持ちをこめて手をあわされています。 この施設は、日本人の記憶に深く刻まれ、移民の歴史を後世に伝えるために本当に大切な施設です。その観点から質問をいたします。 ひとつは、施設のあり方の問題です。基本的な考えは、当時の生活を再現することが大 切だと思います。以下、具体的に施設に関わっての要望を行います。 まずは、まさに収容所の名が示すように一度に1000人を越える人が生活していました。当時のずらっと並んだベットなどを復元してはどうでしょう。また、天井のパイプなどは残すことを希望します。 見た限りでは、移民関連書籍が少ないように思えます。充実をお願いします。これと同 時に、生存されている移住者から当時の話を生の声で録音されるのはどうでしょうか。 また、先ほど触れました石川達三の記念碑なども立てては、と思います。 加えて、残っているかはわかりませんが、たとえば三菱、川崎など当時移民船の造船や 修繕にかかわった企業などに当時のそれにかかわる備品などが残っていないか問い合わせてはいかがでしょうか。各方面に問い合わせ、目に見える展示を増やす努力をしていただくことを求めます。 以上多岐にわたりますが、ご意見を伺います。 また、もうひとつの視点は観光の視点です。実際に現地に行ってみてわかりましたが、 この施設は、北野の観光地群のすぐ西側にあります。神戸市のホームページの説明では、JR元町駅から徒歩15分/三宮より市バス7系統「山本通3丁目」下車徒歩5分とありますが、ここまでシティー・ループを延長するなどして観光資源としてアピールすることを求めます。 加えて、旧乾邸についてもお聞きします。 神戸市は、国に物納された旧乾邸を平成8年より無償委託されました。それ以降市民からの利用も年々広がり、この数年は100近い団体で4000〜7000名を超える方が毎年利用をされています。様々なドラマなどでの撮影現場としても使われています。また、乾邸を守るための会も活発に活動され、もともと文化に対して大きな関心のある地域であったこともありその重要性は広く市民に知られる中で今日に至っています。 現在旧乾邸は、2年間の管理委託契約を国と平成21年まで結び、局の中でも乾邸の今後の扱いに対する議論が行われていることと思いますが、国から市への買い取り要求が出ているが、市としては財政が無いことを理由にして、拒んでいるのが現状です。しかし、一方でデザイン都市・神戸を打ち出し、三宮駅周辺の貴重な建物を調査するという方向を市は打ち出している。「区ごとの個性を生かしたデザインづくりを進める」という言い方もされている。この乾邸に対して改めて買い取りを視野に考えられることを求めますが、いかがでしょうか。
大森局長 移住センターについて、25万人が南米に渡り、苦難を乗り越えて移住先の国の発展に寄与されたことは認識している。特に建物を当時の外観を再現することで歴史の継承をしていくことにしている。具体的には移住センターを保持するものとして、写真やパネル展示などを取り入れて、海外移住の歴史に関する知識の普及と継承をおこなう「移住ミュージアム機能」を3つの機能の中に取り入れている。来館者がかつての移住センターでの暮らしを追体験できる展示を考えていきたい。建物自体を残すことで継承したいと思っている。石川達三の小説「蒼茫(そうぼう)」に、「黄色い無装飾の大きなビルディング」という表現もあるので、外壁を黄色に塗装したり、窓枠の形状を当時と同じように引き戸にするなど、外観の再現をおこなう。 施設内部の整備も「海外移住の歴史や意義を継承するとともに、在住外国人との交流を通じた“多文化共生のまちづくりの実現”」という側面を考慮する。内装については、耐震診断を受けており補強工事がいる。ユニバーサルデザインに対応するためにエレベーターも設置するが、それ以外の内部は手を加えないようにしたい。
井上文化観光部長 北神地域の区民センターの調査だが、平成18年度、19年度と調査しているが、18年度は北神地域における人口動向、周辺施設の状況、地域の文化活動など基礎調査をした。19年度は、整備手法の研究と最近整備された近隣都市の類似施設の状況などを視察している。基礎調査になっており、まだ市民の意見は聞いていない。きちんと調査したうえで市民の意見を聞きたい。
上田国際推進室長 在日外国人について、1990年の入国管理法の改正を契機に、ブラジル、フィリピン、ベトナム、ペルーなどの国籍の外国人が増えている。日本語でのコミュニケーションが不十分で、学校現場でも日本語理解が不十分な外国人児童生徒が小中学校合わせて221人が在籍している。 こうした日本語理解が不十分な児童生徒には、学校教育現場では教育委員会が対応するが、「外国人児童生徒受入校支援ボランティア事業」や「子ども多文化共生サポーター事業」で、学校と児童生徒・保護者との意思疎通を図るため通訳・翻訳を派遣している。 これ以外に、日本語指導の支援教員がいくつかの学校で配置されている。言語学習や生活言語指導の国際教室も開設している。日本語の読む・書く力を育成するためJSL教室いわゆる日本語を母国語としない方のための日本語教室を開催している。支援に対して、個々の児童生徒の状況に応じて、各学校と教育委員会が連絡・相談しながら実施していると聞いている。局としては、教育委員会との連携が必要ということで、庁内の連絡組織である「国際化推進連絡会議」を設置している。その中に在住外国人対策をおこなうために関係局が集まった「地域国際化部会」がある。この場で教育委員会を始め、関係各部局と連携を取りながら在住外国人市民の支援を進めてきた。実際については、ベトナム、ブラジル、南米のスペイン語圏出身のいわゆるニューカマーの方の代表に入っていただいている「外国人市民会議」で提案された意見を教育委員会と共有し、例えば、今回から就学案内を6言語化で案内している。日本語学習支援のボランティアネットワーク組織に、教育委員会とともに参画し、進路ガイダンスやセミナーの開催など施策を展開してきた。国際文化観光局独自でも、外国人の保護者の日本語学習支援で、東灘区と長田区でNGOで開催されているが、運営費の一部補助をしている。日本語と母語の理解を進めるうえで、NGOの活動場所の提供など、日系ブラジル人子弟のための日本語・母国語教室への支援もしている。今後とも教育委員会と連携しながら取り組む。 区役所との連携だが、区役所は行政サイドの拠点で、対応を重視している。日本語が分からない人が言ってもコミュニケーションがとれない。区役所に任せるのは困難。平成18年度から、携帯電話の3者通話を利用した電話通訳システムを外国人コミュニティの協力を得ながら、6言語で実施している。生活保護など詳しいことを話すときは通訳を配置している。垂水区では中国語、長田区ではベトナム語を週2回配置している。 また、神戸市内に新しく転入されてきた外国人は最初に外国人登録をするが、その新規登録者は、窓口で「問い合わせの窓口」やゴミ出しルールを含む日常生活の情報をまとめた「ウエルカム封筒」を渡している。多言語で理解できるようにしている。HPでも6言語の「神戸生活ガイド」を提供している。 神戸国際協力交流センターでも生活相談などを6言語でワンストップサービスとしておこなっている。外国人の多い中央区では、登録比率は1割だが、独自の取り組みで、「中央区多文化共生会議」を作っている。自治会や外国人、環境局なども入り、生活を支えるために問題点を協議し解決に取り組んでいる。 ごみ出しだが、基本的には働きにきているので、雇用している事業主の責任もある。生活についての教育、啓発をお願いしたいと事業主を訪ねてやっている。社員教育の一環としてゴミ出しルールも含めた生活ルール一般を教えるように取り組みをして、外国人の方が住みやすいまちづくりを進めていきたい。
村上国際推進室国際交流課主幹 移住センターの再整備後のアクセスの問題と施設自体の魅力についてだが、再整備後、いかに多くの人に来てもらうかが大事でアクセスは大事。 市バスは「山本通3丁目」と「山本通4丁目」のバス停がある。そこから移住センターまで約200mの距離だ。 シティーループバスの延伸だが、検討したが、移住センターにバスの回転地を作るのが難しく乗り入れができない。直近のバス停は、「北野工房のまち」で、移住センターまでは400mで遠い距離ではないと思う。 再整備に合わせ、駐車場を本館北側に作り、本館前の広場にタクシーが乗り入れやすいようにしたい。 施設の工夫だが、「移住ミュージアム機能」、「在住外国人支援機能」など3つの機能で整備するが、体験や体感など参加型の要素を入れるとか、在住外国人支援では、市民や観光客との交流イベントなどもすることで集客を考える。 海外移住について顕彰事業として、メリケンパークに「神戸移民船乗船記念碑」とかJR元町駅前の「海外移住のモニュメント」と「ブラジル風交番」がある。3月下旬には、ブラジルのイペの木の植樹をおこなう予定がある。面的に整備することで、多くの人に来てもらいたい。
西議員 区民センターでいえば、市民の意見を聞いていないということで一方的に進めているという印象だ。市長の公約だから実現を求めておく。 教育委員会が、子どもについてくる親の状況はサポートしている。教育からでなく国際文化に来るようになっているのかどうか。 ごみで言われたが、深江南町では、少しは改善されているが、まだ収集日以外にも出ているので対応を。 移住センターでは、生存している人の生の声を聞くということをしていただきたい。
大森局長 移住センターについてはいろんな形で工夫したい。提案のことも含めて検討したい。
上田国際推進室長 外国人児童だが、サポートからは、入るようにはなっていないので教育委員会とも協議したい。
西議員 旧乾邸に関して、多くの団体の方が利用されている。ここ数年は100近い団体、4000〜7000人が毎年利用している。この施設の重要性はいろんな方から聞き、思い入れがある方も多くいる。 いま、区では、区ごとの特長を生かしたデザインづくりをおこなっているので、乾邸に関して、買い取りも視野に入れて考えていただきたい。要望しておく。 ※答弁は事務局のメモによるものです。 |