神戸市政Q&A(目次)>>
13.どうすれば神戸港は元気になるのかな
アイ: スーパー中枢港湾、って、最近聞くんだけど、一体何なの?
シン: 香港、上海、シンガポールなどアジア主要港に比べて国内港のコンテナ取扱量が低迷しているから、国交省が全国で数港を指定し、そこに、新たな大型公共投資を集中しようとするものなんだ。具体的には、港湾チャージの三割カットや大水深バースの建設、バースの効率的運用、などだね。
アイ: いいことなの?神戸港にどんと貨物が増えるとか。
シン: 問題はいっぱいなんだ。まず、神戸市は新たにバースを深くするための投資をする、っていってる。300億円以上だよ。指定されるまでは 「今あるバースで大丈夫だから、新たな投資はない」
なんて言ってたんだ。だけど、指定される前後からややこしくなった。神戸港では、PC14〜18が指定されたんだけど、今、これらのバースは水深が15メートルなんだ。で、PC18を水深16メートルにすると言ってる。しかも、バースだけじゃなく、航路も深くしなければならない、ということで合計300億円以上も投資するんだよ。
アイ: そんなに深くしないとダメなの?
シン: 市長は、世界の船が大型化しているから必要だと言うんだ。だけど、そもそも、いまある15メートルバースも、大型船に対応する、という口実でつくったんだよ。ところが、その大型船は入っていない。
アイ: そんなあ。今でも入っていないのに、16メートルにすると大きな船が来る、って言うのも、のんきな話ね。
シン: そのとおりさ。民間の会社なら、300億円の投資をするとしても、それをどう回収するか、計画も立てるだろう。神戸市にはその計画すらないんだから。神戸港を運営している港湾事業会計は、今でも大赤字なんだ。
アイ: 大赤字って、どれくらいあるの。
シン: 04年度の決算でみると、港湾事業会計の累積赤字が405億円、神戸港埠頭公社 (※港湾計画に基づき、船社などが専用使用するためのコンテナ埠頭などの建設、貸付、維持管理をしている神戸市の外郭団体)
は、黒字になっているけど、空きバースなどを神戸市が買い取った結果なんだ。主なものだけでも約350億円も買い戻している。実質的には赤字だね。
アイ: 私たちの生活感覚では想像できない額ね。借金もあるんじゃないの?
シン: あるってもんじゃない。港湾事業会計の企業債残高は3675億円、埠頭公社の長期借入金残高は約60億円もあるんだから。
アイ: そんなにあるの?新たに投資する、といっても、それも借金なんでしょう?
シン: もちろんそうさ。まったく何を考えているのかわからないよ。
アイ: 神戸港に今、大型船は来ているの?
シン: 少しは来てるけど、世界最大級の大型船でも14メートルのバースに入ってるよ。
アイ: それじゃあ、いくら考えても16メートルのバースはいらない、という事ね。
シン: そう、韓国の釜山港には、8500TEU(※TEUとは、20フィートコンテナに換算したコンテナ個数の単位)の大型船が入っている。先日、日本共産党の議員がみてきたんだけど、確かにものすごく大きいって言ってたね。でも、入ったバースの水深は15メートルなんだって。関係者は、「貨物があるところに船は入るんだ」
って言ってたらしいよ。神戸のようにどんどん設備をつくっても、貨物がなかったら船は来ないよ。
アイ: それはそうよね。で、神戸港の貨物は少しは戻っているの。
シン: 最近は若干増えかけたけど、震災前には到底及ばない。震災前の半分以下だね (94年1億7100万トン、03年7876万トン)。コンテナ取扱量でいえば、03年には世界で第6位だったんだよ。ところが、今は30位にも入っていない。発表されるのは30位までだから、ランキング外なんだよ。なのに、いまなお、深いバースをつくって
「世界のハブ港・神戸港の再来」をめざす、という考えは、余りにも無謀だよね。
アイ: ほんとにそうね。だれが赤字のツケや借金を払うことになるの?
シン: このままのやり方だと、結局、市民にツケが回ってくるよ。真剣に対策を考えないと。
アイ: やっぱり、「身の丈」 にあったというか、今の施設を本当の意味で有効に利用した、神戸港の発展策がいるのよね。
シン: そうだね。今でもたくさん空いているバースがあるんだから。最近、神戸市自身も、西日本のハブ港という言い方をしだしたけれど、世界の大型船目当てではなく、神戸の地場産業を柱とした産業や、市民生活に密接につながった港振興策を、業界関係者や労働組合などと協議するべきだね。スーパー中枢港湾では、神戸港の発展は望めないだろうね。
アイ: 青果物など、神戸港の特徴もあるんだから、ここらも、もっとPRしていくべきよね。
■参考資料
グラフ:「港湾事業会計企業債残高と累積損益推移」「取扱貨物量推移と目標量」「埠頭公社長期借入金と累積損益」 |